亡くなった後の手続きの流れを弁護士が解説!


親や配偶者、親しかった友人などが亡くなると、大変悲しいのですが、その悲しみに浸っていられないくらい多くの手続きをする必要が生じます。

今回はその手続きについて網羅しているわけではありませんが、概要を説明していきます。

弁護士川本隆

期限については、法律で厳格に定められているものもありますので、必ずおさえておいてください。

なお、人が亡くなった時の一般的な手続を説明しているものであり、全ての手続を網羅するものではないことにはご留意下さい。

手続き一覧

弁護士人が亡くなった場合の相続手続きは以下のとおりです。

なお、場合によっては必要でないものもあります。

◎ 死亡届の提出

◎ 年金受給者死亡届

◎ 国民健康保険証の返還

◎ 銀行口座等の凍結

◎ 相続人調査

◎ 相続財産調査

◎ 相続放棄

◎ 遺言書の検認

◎ 遺産分割協議等

◎ 所得税の準確定申告

◎ 相続税の申告

◎ 銀行等の手続き

◎ 不動産の登記移転手続き

 

 

それぞれの手続きについて

死亡届

死亡届は、人が死亡した際にその家族などが役所へ届出をして死亡を知らせるものです。

書類

この届出によって、戸籍や住民票に死亡したことが反映されることになります。

また、この届出の際に死体の火葬許可の申請もする必要があるので、「葬儀業者」がこの届出を代行してくれることも多いようです。

届出期間

原則死亡の事実を知った日から7日以内

(例外:海外での死亡の場合には、3か月以内)

届出場所

死亡した人の死亡地、死亡した人の本籍地、及び届出人の所在地の市区町村役所のいずれか

必要書類

死亡届、死亡診断書(又は死亡検案書)

 

年金受給者死亡届出

年金については、前述の死亡届とは別に年金事務所に年金受給者死亡届を出す必要があり、この手続をしないと、年金を後に返還する必要が出てきて手間なので注意が必要です。

弁護士入野田智也もっとも、マイナンバー(住民票コード)を日本年金機構に収録されている場合には、原則として死亡届を出す必要はありません。収録されているかは年金事務所に問い合わせてみてください。

一方、未支給年金を請求できますし、一定の場合には遺族年金請求もできますので、忘れずに行いましょう。

届出期間

すみやかに提出

届出場所

各年金事務所

必要書類

年金受給者死亡届

死亡者の年金証書

死亡の事実を確認できる書類(死亡の記載のある戸籍抄本、死亡診断書の写しなど)

 

国民健康保険証の返還

届出期間

死亡の時から14日以内

届出場所

国民健康保険加入をしている自治体の役所

必要書類

国民健康保険証、死亡の事実を証明する書類

 

銀行口座等の凍結

弁護士銀行口座等の凍結は、早めにしておきましょう。

相続では、死亡後に銀行等から金銭を引き出すと相続人同士でもめる原因となり、不当利得となる可能性もあります。

そのため、誰も使用できないように死亡の事実を知った場合にはなるべく早く金融機関に知らせて、凍結の手続きをとるべきでしょう。

ただし、凍結の手続をすると、その後は遺産分割協議が終了するまで口座からの引き出しができなくなってしまうので、葬儀費用等が必要な場合には要注意です。

届出期間

すみやかに届出

届出場所

それぞれの金融機関等

必要書類

死亡の事実を証明する書類など

 

相続人調査

相続の手続は、遺言書がない場合には相続人全員で行う必要がありますので、相続人が誰かを調べることは必須です。

相続人が誰かは、戸籍謄本を取得していくことで判明します。

弁護士宮崎晃

不動産や金融機関の手続にも必要となりますが、たくさんの相続人がいる場合や、相続人が兄弟の場合には全ての戸籍を取得するのに2〜3ヶ月かかることも少なくありませんので、早めに取得したほうが良いでしょう。

当事務所では、相続人調査の代行も行なっております。

調査期間

なるべく早めに

請求場所

死亡者や相続人の本籍地の役所

必要書類

戸籍謄本の請求書

 

 相続財産調査

相続財産の調査も必要となってきます。

特に、死亡者と相続人が疎遠になっていたりした場合は、相続財産が何かを確定するのは困難でしょう。

家族

しかし、これを怠ると思いがけない借金などが後々に判明して相続放棄できるか悩むことになりますので、必ず必要となる手続きです。

まずは、死亡者の自宅の遺品を整理して財産関係の書類や通知がないかを確認する必要があるでしょう。

その後、それぞれの財産につき下記の手続きをします。

◎ 不動産 ー 全部事項証明書、名寄帳、固定資産評価証明書の取得

◎ 銀行等の金融機関 ー 残高証明書の取得

◎ 自動車 ー 登録事項証明書の取得

◎ 貸金業者 ー 取引履歴の取得、残債の確認

 

 

相続放棄の申述

相続放棄というのは、死亡者の相続人が、「死亡者の財産は引き継ぎません」ということを家庭裁判所に届け出る(「申述」といいます)ことです。

しばしば「相続放棄する」と他の相続人に言っただけで相続放棄できると勘違いしている方がいますが、相続放棄が法的に有効にするためには必ず家庭裁判所に申述しないといけません。

裁判所しかも、この申述の期間は原則として「死亡したことを知った日から3か月」なので、注意が必要です。

死亡から数年後に多額の借金があることを知って相続放棄をできるのかと相談しにいらっしゃる方が多いですが、死亡直後にしっかり相続財産調査をすることが重要です。

相続財産調査をしても判明しなかった借金がある場合には、3か月が過ぎていても相続放棄をできる場合もありますので、諦めずに当事務所にご相談ください。

申述期間

死亡の事実を知った時から3か月(例外あり)

(例外や詳細についてはこちら「相続放棄ができる期間はいつまで?」をご覧ください。)

申述場所

死亡者の最後の住所地の家庭裁判所

必要書類

相続放棄の申述書、死亡者の住民票除票又は戸籍附票、死亡者の戸籍謄本、相続放棄をする人の戸籍謄本(相続放棄をするのが死亡者の孫や親の場合などはこれ以外にも戸籍謄本が必要になります)

 

遺言書の検認

書類遺言書の検認は、遺言書が公正証書遺言「以外」の場合に必要になります。

遺言書の検認をしないと、遺言書があっても不動産の名義変更や銀行の手続きができませんので、必ず必要になってくる手続きです。

申立期間

特にないですが、はやめに

申立場所

死亡者の最後の住所地の家庭裁判所

必要書類

遺言書の検認申立書、遺言者の出生から死亡までのすべての戸籍、相続人全員の戸籍、遺言者の子供が死亡している場合にはその子どもの出生から死亡までのすべての戸籍(相続人が親兄弟姉妹の場合はこれ以外にも戸籍が必要となります。)

 

 

遺産分割協議等

遺産分割協議は、亡くなった方が遺言を残していなかった場合で相続人が複数の場合に必要となってきます。

裏を返せば、相続人が1人しかいないような場合や、遺言を残しているような場合以外には基本的には遺産分割協議が必要となってくるのです。

弁護士小野佳奈子遺産分割協議は、相続人調査や相続財産調査を踏まえて、どの相続人がどの財産を取得するのかを決める作業であり、相続人同士の話し合いになります。

仮に、協議でまとまらない場合には、「遺産分割調停」を家庭裁判所に申し立てる必要が出てきます。

遺産分割調停でもまとまらない場合には、裁判所に遺産をどの相続人がどの財産を取得するかを決めてもらう裁判の一種である「審判」という手続に自動的に移行することになります。

弁護士

協議は、当事者同士での話し合い

調停は、裁判所の調停委員等を交えた話し合い

審判は、裁判所に決めてもらう(話し合いではない)

ということになります。

なお、遺産分割には時効はありませんので、50年以上前の遺産分割をすることもできます。

遺産分割協議について

協議の方法は決まっていない

弁護士遺産分割協議というのは、あくまで協議なので、方法が決まっているものではありません。

電話でやりとりしてもいいですし、相続人で集まって話し合っても構いません。

争いが生じた場合には、弁護士が代理人として協議に参加することもあります。

なお、当事務所では争いが生じていない場合にも、「弁護士から説明をもらって、納得して適正な遺産分割をしたい」「相続の手続を任せたい」といった場合のプランをご用意しております。

(詳しくはこちら「料金プラン」をご覧ください。)

 

協議がまとまったら、協議書を作成する

遺産分割協議がまとまった場合には、「遺産分割協議書」というものを作成する必要があります。

遺産分割協議書この遺産分割協議書は、特に方式が法律で決まっているものではありませんが、登記をする場合や預貯金等の解約の際には、遺産分割協議書が相続人の意思で作成されたことを確認するため、相続人全員の実印での押印があることが必要であり、また、手続を行う人以外の方の印鑑証明書が必要になってきます。

加えて、遺産分割協議書に不動産を記載する場合には、不動産をしっかり特定しないと、登記ができないということになりかねませんので、気をつける必要があります。

ポイントのマークまた、遺産分割協議書には、後に亡くなった方の遺産が見つかった場合や、借金が見つかった場合についてなども記載しておくほうが後々の紛争を防ぐ意味で望ましいです。

さらに、遺産分割協議では、どのように分けるかによって課税関係が変わってくることもあります。

以上のとおり、遺産分割協議をし、遺産分割協議書を作成する際には、法的な問題、登記の問題、税金の問題などあらゆる問題を考えながら行う必要がありますので、遺産分割の際には、弁護士に相談するのがよいでしょう。

 

遺産分割調停について

弁護士遺産分割調停とは、先ほど説明したとおり、家庭裁判所を用いた手続であり、相続人の協議ではまとまらない場合に、調停委員等が間に入って、話し合いをする手続です。

調停の申立

遺産分割調停は、相続人の住んでいる住所地を管轄する裁判所に申し立てます。

申立期間:特になし。

申立場所:他の相続人の住所地を管轄する家庭裁判所又は相続人で合意した家庭裁判所

申立費用:亡くなった方一人につき、1200円の収入印紙・その他切手等

必要書類:

◎ 遺産分割調停申立書

◎ 被相続人や相続人戸籍

ア)被相続人の出生から死亡までの戸籍全て

イ)相続人全員の戸籍謄本

ウ)相続人全員の住民票又は戸籍の附票

※ 相続人が親や兄弟姉妹の場合には、これ以外の戸籍も必要になります。

◎ 遺産に関する証明書

ア)不動産 — 全部事項証明書及び固定資産税評価証明書又は名寄帳

イ)預貯金 — 通帳の写し又は残高証明書

ウ)有価証券 — 有価証券の写し及び残高証明書

 

調停の進み方

調停は、調停委員等に間に入ってもらっての話し合いと説明しましたが、具体的にイメージが湧きにくいと思いますので、説明いたします。

調停は、申立から1ヶ月から2ヶ月以内に第一回目の期日が入ります。

第一回目に行くと、まず申し立てた人が調停室に入り、調停委員に話を聞いてもらいます。

調停室というのは、小さい会議室のような場所です。

テーブルが一つあり、調停委員が二人座っています。

そして、調停委員に対面する形で、座って話を聞いてもらいます。

申立人の話を聞き終わると申立人は調停室から出て、次に他の相続人が調停室に入って話を聞いてもらいます。

このように申立人とその他の相続人が交互に調停員等に話を聞いてもらい、調停が進んでいきます。

なお、基本的には相続人が直接話し合うことはないですが、場合によっては同席での話し合いをする場合もあります。

話し合いこのような交互に話を聞いて貰う手続きを繰り返し、お互いに譲歩をしつつ、最終的に合意できるかどうかを模索していくのです。

期日は、1回につき2時間程度が通常で、1ヶ月から2ヶ月に1回期日が入ることになります。

そのため、調停が終わるまで1年程度かかるのが通常であり、長い場合には数年に及ぶ場合もあります。

 

調停でまとまらなかった場合

裁判所調停でもまとまらない場合は、「審判」に自動的に移行します。

審判は裁判の一種で、話し合いではなく、証拠に基づいて裁判所がどの相続人がどの財産を取得するかを決めてくれるのです。

証拠に基づく判断なので、書面や当事者の証言などをもって、しっかりと裁判所に伝えていかなければなりません。

裁判所は、様々な事情を考慮してはくれますが、最終的には法律で定まった範囲でしか判断はできないので、柔軟な解決はできません。

 

所得税の準確定申告

亡くなった方が事業を行っていたなど、確定申告が必要な方であった場合には、相続人が確定申告を代わりにする必要があります。

これを準確定申告と呼びます。

計算申告は、相続の開始があったことを知った日(基本的には死亡の日)の翌日から4ヶ月以内に行う必要があります。

4ヶ月というと期間があるように思えるかもしれませんが、申告をするための準備や、その他の手続もあることを考えると、4ヶ月はあっという間に過ぎてしまいます。

申告期間

相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内

申告場所

亡くなった方の住所地の管轄の税務署

 

相続税の申告

人がなくなった場合には、相続税の申告も必要になります。

ただし、遺産が「基礎控除」を超えない場合には、相続税の申告は不要となります。

基礎控除は、平成27年1月1日以降に死亡した方の場合には、3000万円+ 600万円☓法定相続人数 です。

弁護士と税理士なお、法定相続人の数は、相続放棄をした場合でも変わりません。

基礎控除を超えるかどうかの「遺産」とは、単純に残っている財産全てではありません。

遺産の総額から、借金などの債務、葬式費用、非課税財産、相続人や受遺者に対する死亡前3年以内の贈与などを除いた「遺産」が、基礎控除額を超えているかどうかで判断します。

相続税は、特例もあり、計算が難しい場合も多いですので、まずは一度、税の専門家に相談したほうが良いでしょう。

申告期間

被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内

申告場所

亡くなった方の住所地を管轄する税務署

 

銀行等の手続

弁護士銀行等は、死亡の事実を知ると、預貯金等の口座を凍結してしまいます。

そして、その後は、その預貯金口座を相続する人が決まるか、相続人全員の同意がないと、預貯金を引き出したり、解約したりすることはできなくなります。

そのため、遺言がある場合や相続人全員が円満である場合以外には、遺産分割協議や調停などを経た後にしか銀行等の手続きはできないことになります。

銀行のイメージイラスト遺言がある場合にも、公正証書遺言以外では検認の手続が必要になります。

また、遺言がある場合も、手続のために、他の相続人に遺言について争いがないかの確認をする銀行もあり、簡単には銀行等の手続が終わらないことが少なくありません。

なお、銀行ごとに手続や必要書類が異なる場合もありますので、詳しくは最寄りの支店等にお問い合わせ下さい。

申請期間

特になし

申請場所

各銀行の支店等

必要書類

遺言書(検認が必要)又は遺産分割協議書(実印による押印及び印鑑証明書が必要)

相続人がわかる戸籍等

預貯金通帳等

 

不動産の登記移転手続

不動産の登記移転の手続きについては、様々な書類が必要になりますので、それらの資料を集めるだけでも大変です。

そして、遺産分割協議書を正確に作成しないと、不動産登記ができないことすらありますので、気をつけなければなりません。

弁護士遺産分割協議書の作成は、弁護士などの専門家に任せましょう。

申請期間

特になし

申請場所

不動産の所在する場所を管轄する法務局

申請書類

登記申請書(登録免許税分の収入印紙必要)

遺産分割協議書(印鑑登録証明書付)

被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等

不動産を取得した人の住民票の写し又は戸籍の附票

相続人全員の戸籍謄本、住民票の写し

亡くなった方の除かれた住民票の写し又は戸籍の附票

固定資産評価証明書

 

 

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