遺言と同じ内容の遺産分割協議書にそのまま署名してもよい?

遺産分割協議書についての質問です。

被相続人Aさんが死亡し、子にBさんとCさんがいます。

Bさんは「遺産は全てBに相続させる」旨の遺言があると言っていますが、Cさんには見せてくれません。

また遺言の検認もまだのようです。

ある日、Bさんから、「Aさんの遺産を全てBさんに分ける」という内容の遺産分割協議書が届きました。

Cさんは、このまま署名押印するとどうなるのでしょうか?

 

 


遺言と同じ内容であっても、遺産分割協議に合意する場合では、今後の法的効果が異なります。

署名には慎重になるべきでしょう。

一見すると、遺言の内容も遺産分割の内容も同じだから、何も変わらないのでは?とお思いになるかもしれません。

では、場合分けをして見ていきましょう。

 

遺言に従って相続があった場合

自筆証書遺言があり、検認がされた後に、遺言に従って、Aさんの遺産をBさんが相続したとします。

この場合には、Cさんは相続により何も取得しないことになりますので、遺留分が発生します。

具体例の場合には、相続人が子2人なので、Cさんの遺留分は以下のようになります。

2分の1(Cさんの法定相続分)× 2分の1(遺留分割合)= 4分の1

ですので、CさんはBさんに対して遺産の4分の1の遺留分侵害額請求をすることができます。

 

 

遺言と同じ内容の遺産分割協議がされた場合

では、遺産分割協議によって遺言と同じ内容の合意をした場合はどうなるでしょうか。

この場合には、Cさんは、Bさんが全ての遺産を相続するとの遺産分割に合意したと考えられ、遺留分侵害額請求ができなくなります。

これは、協議分割の場合には、Bさんが単独で相続するとの合意をしない限りは、Cさんとしても、遺留分以上に法定相続分に従った分割を協議することができたと考えられるためです。

また、Aさんに相続債務がある時には、特に影響が大きくなります。

お金Aさんが負債を負っていなければ、Cさんが相続放棄をした場合と結果は変わりません。

しかし、もしAさんが負債を負って死亡したという場合には、その負債の2分の1をCさんが負担し、相続では何も獲得できないという結果が生じてしまいます(相続債務は、法定相続分に従って分割されると考えられているためです)。

相続の分野は、法律関係が複雑になりがちであり、一見同じように見えても、法律的には結論が大きく変わってしまうことが多くあります。

遺産分割でお悩みの方は、ひとりで悩まず、是非一度、専門の弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

 

 

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