相続法が大改正される!~相続弁護士が解説~


皆さまは、相続に向けた対策などを行っているでしょうか。

相続が発生すると多くの法律問題が生じることになるのですが、最も問題となるのが遺産分割です。

遺産分割というのは、亡くなった方(以下、「被相続人」といいます)の遺した財産を分ける手続きのことですが、この手続きを行うためには、基本的には相続人全員で協議をして全員の同意を得ることが必要です。

そのため、協議が整うまでは、葬儀費用や遺された配偶者などの当面の生活費を預貯金口座から引き出すということができなかったりと、様々な問題が生じていました。

それ以外にも、老々相続と呼ばれる高齢者が亡くなった場合に高齢者が相続をするときには、遺された配偶者が自宅を相続すると、現金や預貯金を他の相続人が相続することになってしまい、生活資金が相続できないため、年金だけでやりくりをしないといけなくなり、生活に困るまたは今後の生活に不安が残るといった現状もありました。

また、遺言にはいくつかの種類がありますが、自筆証書遺言という形式では、自分ですべての文字を書かなければならず、一部でも手書きではない部分があると遺言全体が無効になるという状態でした。

遺言書また、遺言を書いたのに、誰にも遺言の存在を伝えていなかったため、それが発見されないということもあったようです。

さらに自筆で書かれた遺言というのは、本人の意思で書かれたのか、本人が本当に書いたのかが争いになることも少なくなく、その場合には遺言の無効確認訴訟が必要になるなど、自筆証書遺言というのは使い勝手が良くなく、紛争の種になっていたところがあります。

これらの点を含めて、現行法には問題が少なくなかったのですが、平成30年3月に民法の相続に該当する部分の改正法案(以下、「相続法改正案」とします)が国会に提出され、今国会で改正案が可決される予定になっております。

 

民法の相続部分の改正点概要

弁護士入野田智也今回は、現在の法律の問題点も踏まえ、具体的な事案をもとにして、民法の相続部分の改正点を解説します。

改正の概要は以下のとおりです。各項目から詳細を解説したページに移動することが可能です。

1.配偶者居住権が創設されます。

① 相続が開始して、少なくとも6ヶ月は、配偶者が居住不動産に住むことができます。これを配偶者短期居住権といいます。
② 遺産分割の際に、居住用不動産を取得するのではなく、その不動産に居住する権利を取得することができます。これを配偶者居住権といいます。

2.婚姻期間20年以上の夫婦の一方に対する居住用建物土地の贈与又は遺贈があった場合は、持戻しの免除が推定されることになります。

3.相続人は、遺産分割の前でも、銀行に対して、被相続人名義の口座からの一定額の払い戻し請求ができるようになります。

4.家庭裁判所の保全処分を用いることで、銀行に対して、被相続人名義の口座から一定額の払い戻しをうけることができる要件が緩和されます。

■5.遺産分割において、一部の遺産分割が明文化されました。

遺産の一部分割については、協議で遺産分割が行えることを明確にしたとともに、家庭裁判所に遺産分割の調停又は審判を求める場合にも、遺産の一部の分割を請求できるようにする改正案です。

6.遺産分割前に遺産を処分された場合でも、一定の要件のもと、処分された遺産を遺産分割の対象とすることができるようになります。

7.自筆証書遺言が使いやすくなります。

① 自筆証書遺言の場合でも、目録は自筆で書かなくても良いことになります。
② 自筆証書遺言を法務局が保管する制度が創設されます。

8.遺留分制度が変わります。

① 遺留分に基づく請求が、遺留分減殺請求から遺留分侵害額請求に変わり、原則現物返還が、原則金銭での返還に変わります。
② 遺留分の算定にいれる特別受益の範囲が、相続開始の時から10年以内に限定されます。

9.遺言により、法定相続分より多い額を相続した場合、登記などの対抗要件を備えないと、所有権について第三者に対抗できなくなります。

10.相続人以外の介護等の貢献について、相続人に金銭を請求できる「特別寄与料」の制度ができます。

※改正内容全てを網羅するものではありません。

 

 

当事務所の相続対策チームにご相談ください

弁護士小村これらの改正点により、現状の相続や遺産分割の問題点は緩和されることになるかと思われます。

しかし、相続法改正ではカバーしきれない部分も多くありますし、今後実務上の問題点や法的な問題が少なからず生じてくることにはなるでしょう。

また、相続法改正があっても、紛争をなるべく防ぐためには別途そのための対策をすべきということには変わりはありません。

当事務所の相続対策チームでは、以上のようなことを踏まえ、常に相続での紛争を防ぐためにはどのようにすればいいかを模索しており、その中でも遺言の作成を強く勧めております。

相続紛争の予防及び遺言の作成にあたっては、相続に特化した弁護士が、税務や法務について、アドバイスをしますので、まずは一度当事務所にご相談ください。

 

 

相続弁護士が相続法大改正を解説します!


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