不動産の相続のポイントを相続弁護士が解説!


当事務所の相続対策チームには、このような不動産に関係するご相談が多く寄せられています。

不動産の相続問題は、専門的知識が必要な場合が多く、専門家へのご相談をお勧めしています。

まずは当事務所の相続弁護士までご相談ください。

不動産の相続とは

遺産に土地建物やマンションなどがあると、被相続人の死亡により、相続が発生します。

不動産の相続は、現金や預貯金(これらを流動資産といいます。)などと異なり、適切に評価する(時価を算出)ことがポイントとなります。売却する際は、以下に高値で売却できるかも重要です。

また、流動資産と異なり、相続人の1人がそこで生活していたり、誰かに賃貸していたりすることがあるため、権利関係が複雑となります。
さらに、不動産は、固定資産税が課されるため、その支払いをめぐってトラブルとなることもあります。

このような不動産の相続のポイントについて、相続問題に精通した弁護士が解説します。

不動産の遺産分割はどうなる?

不動産の分割方法は、大きく分けて4つあります。

解説するイメージイラスト平成24年の国税統計年報によると、相続税の課税対象者の相続財産の内訳の約5割を不動産が占めています。この数字からも、不動産が遺産の一部として遺産分割の対象となる可能性の高さをうかがうことができます。

不動産しか遺産がない場合や、遺産である不動産に相続人の一人が居住している場合は、特に遺産分割方法について争いになることがあります。

そこで、ここでは、不動産の分割方法についてご紹介いたします。

 

①現物分割

分割方法解説イラスト共同相続人が、現物をそのまま分けて分割する、一番わかりやすい方法です。

例えば2筆ある土地を1筆ずつ取得したり、1筆の土地を分筆するなどの方法です。

 

②代償分割

分割方法解説イラスト遺産を多く受け取った人が、その分代償金を他の相続人に支払って調整する分割方法をいいます。

現物分割できないときに、一番合理的な解決が期待できる方法といえますが、遺産を多く受け取った相続人が代償金を準備できないときはこの方法を使うことがそもそもできません。

 

③換価分割

分割方法解説イラスト遺産を売却して、得た代金を分割する方法をいいます。

遺産である不動産を取得することを希望しても代償金が準備できないときは、この方法に頼ることもあります。

しかし、相続人全員が合意しなければこの手続を進めることはできませんので、合意ができない場合には、家庭裁判所に審判の申し立てをし、換価命令を得なければなりません。

 

④共有分割

分割方法解説イラスト当該不動産を法定相続分などの割合で持ち分を決め、共有名義とすることを言います。

一見すると簡明な手続ですが、共有者の一人が死亡すると、その人を相続する複数の相続人が共有者となり、権利関係がどんどん複雑になることもあります。

不動産の分割方法としてどの方法が一番適しているかは、個別具体的に判断する必要があります。

不動産の分割の場面でお困りの方は、ぜひ一度、相続専門の弁護士にご相談されることをおすすめします。

 

 

遺産の不動産から生じた賃料はどうなる?

悩む男性のイラスト

遺産分割協議で不動産を取得しましたが、他の相続人が遺産分割までの賃料を分けろと言ってきました。

賃料も分けないといけないのでしょうか?

弁護士入野田智也の画像相続問題専門の弁護士が解説いたします。

最終的にその不動産を取得した場合でも、遺産分割協議が終了するまでに生じた賃料については、他の相続人に分ける必要があるといえます。

遺産から生じた賃料の帰属

遺産分割協議が終了し、不動産の帰属が決まるまでに遺産から生じた賃料等の収益は、定相続分又は指定相続分に応じて、当然に相続人らが取得することになっています。

家系図と法定相続分のイラスト例えば、配偶者であるお母さん、子どもが2人いる場合、それぞれの法定相続分は、2分の1、4分の1、4分の1です。

そして、不動産から賃料10万円が生じるとすれば、その10万円を法定相続分で分けることになるので、お母さんが5万円、お兄さんと弟さんが2万5000円ということになります。

なお、遺言により、相続分の指定がある場合には、その指定に沿って賃料債権を取得すると考えられます。

つまり、遺言で、お母さんが4分の3、お兄さんと弟さんが8分の1ずつとされているような場合には、お母さんが7万5000円の賃料債権を取得し、お兄さんと弟さんは1万2500円ずつの賃料債権を取得することになります。

 

誰かが賃料を独占している場合

解説するイメージイラストしかし、実際では、誰かが不動産を管理しており、その管理している人が賃料を独占している状態のままであることがしばしばあります。

そのような場合にはどのようになるのか、説明します。

上記の例で、お兄さんが賃料を独占しているとします。

この場合、お兄さんは、お母さんや弟さんの分まで取得しているので、この金銭を返還する必要があることになります。

具体的に考えると、お母さんは、お兄さんに対して5万円の返還請求権を有し、弟さんは、お兄さんに対して2万5000円の返還請求権を有していることになります。

 

お兄さんが管理費用を支払っていた場合にはどうなる?

悩む男性のイメージイラストお兄さんが管理費用を負担している場合に、その管理費用を考慮することはできないのでしょうか?

この点、管理費用についても、法定相続分に応じて負担する義務があると解されますので、本来はお母さんや弟さんも管理費用を負担すべきであり、お兄さんは、お母さんや弟さんに管理費用を請求できます。

そのため、お兄さんが賃料をお母さんや弟さんに返還する場合には、お母さんや弟さんが負担すべき管理費用を相殺して、返還するのが簡便です。

つまり、上記の例で、管理費用が1万円だとすると、管理費用の負担は、お母さんが5000円、お兄さんと弟さんは2500円ずつですから、お兄さんがお母さんに返還すべき金額は5万円から5000円の管理費用を除いた4万5000円となり、弟さんに返還すべき金額は2万5000円から2500円を控除した2万2500円となります。

賃料の分配の図

 

お悩みの方は弁護士にご相談ください

お金のイメージ写真以上のとおり、遺産分割で不動産の帰属が決まるまでに生じた賃料や管理費用などの扱いは容易ではありません。
そのため、なるべく遺産分割の対象の中に賃料も含めて最終的な合意をするのが良いといえます。

相続は、周辺問題が多く、当然に遺産分割の対象となるもの、合意によって遺産分割の対象となるもの、遺産分割の対象とはできないものがあります。
これらの判断は容易ではありませんので、一度弁護士にご相談されることをおすすめします。

当事務所では、家事事件チームが遺産分割のサポートをいたしますので、まずは一度気軽にご相談ください。

弁護士へのご相談はこちら「相談の流れ」からどうぞ。

 

 

不動産を子供へ贈与するには?

家についての疑問不動産の贈与は、現金の贈与に比べて贈与税を減らすことができるメリットがあると言われています。
しかし、現金の贈与であればかからない不動産取得税がかかり、登記の登録免許税が相続の場合よりも多くかかることになります。

また、不動産を贈与した場合には、不動産を受け取ったほう(受贈者)に贈与税がかかるため、その納税資金を用意する必要があります。
受贈者が納税できない場合には、不動産を贈与した人が連帯納付義務を負っているため、贈与した上に税金まで支払わなければならないこともあります。

 

現金贈与より不動産贈与のほうが有利な理由

説明する男性のイメージイラスト現金の場合、贈与した額がそのまま課税の対象となります。
3000万円を贈与して、その金銭で建物を購入した場合には、3000万円に贈与税がかかります。

一方で、建物を購入して不動産を贈与した場合には、建物の購入額ではなく、建物の評価額に贈与税がかかることになります。
建物の評価方法としては、固定資産税評価額を用いるのが通常ですので、時価よりも安い額となるのが通常です。

仮に固定資産税評価額が時価の7割に設定されていたとすると、3000万円の時価の建物は、2100万円で評価されることになります。

そうすると、以下のような計算になります。

金銭を贈与して受贈者が建物を購入した場合

3000万円×50%-250万円=1250万円

贈与者が建物を購入して贈与した場合

2100万円×50%-250万円=800万円

⇒ 450万円の贈与税を減らすことができる(基礎控除は無視)

車椅子の女性のイラストそのため、生前に誰かに建物を購入してあげる場合には、建物を購入してから贈与するほうが得な場合が多いと言えるでしょう。

 

不動産取得税や登記の登録免許税を考える

不動産のイメージ画像建物を贈与する場合、贈与税以外の点で注意が必要となります。

配偶者や子どもといった相続人は、相続で当該建物を取得した場合には、不動産取得税は課されず、所有権移転登記をしても登録免許税が安く済みます。

しかし、建物を贈与した場合には、不動産取得税がかかり、登録免許税も相続に比べて多くかかることになってしまいます。

また、建物を新たに購入して贈与するとなると、購入し、贈与した人と、贈与を受けた人の両方に不動産取得税登録免許税がかかることになってしまいます。

相続の場合と比較して、前述の時価2100万円の物件では、贈与した場合不動産取得税と登録免許税がどのくらい余計にかかるのかを見てみましょう。

不動産取得税

現在、住宅であれば固定資産税評価額の2分の1に3%をかけた額となります。

2100万円×(1/2)×3%=31.5万円

登録免許税

相続人が相続で建物を得た場合には、固定資産税評価額の0.4%で、通常の贈与の場合には2%となっているので、相続ではなく生前贈与した場合には以下の差額分多く払うこととなります。

2100万円×(2-0.4%)=33.6万円

⇒ 時価2100万円の物件の場合、相続で建物を取得した場合よりも贈与のほうが、65.1万円多く税金がかかる

 

納税資金が必要

役所のイメージ画像現金を贈与した場合には、その現金を納税資金にすることができる一方、不動産を贈与した場合には納税するための現金がないため、問題となります。

不動産を贈与する場合には、不動産をもらった側に贈与税が課税されます。
そして、不動産はある程度高額なものですから、課される贈与税もそれほど安くありません。
そのため、贈与税の支払いのための資金を用意する必要が生じてきます。

受贈者側に納税資金がない場合には、贈与者がその資金を不動産と合わせて提供するということがあります。
贈与者側も連帯納付義務を負うため、納税資金を提供するのは良いのですが、納税資金を提供した場合もその金銭は贈与税の対象となる贈与となることには注意が必要です。
つまり、納税資金の贈与にもまた贈与税がかかるということです。

 

お困りの方は弁護士へご相談ください

弁護士入野田智也のイラスト以上から、不動産を生前贈与するという場合には、相続との比較をしつつ、注意して行う必要があるといえます。

これらの問題には、相続を見据えた視点が必要であり、相続時にどのような法律上、税金上の問題が生じるかを適切に判断する必要があります。

こういった判断は容易ではありませんので、一度専門家に相談されることをおすすめします。
当事務所では、相続に特化し、法律問題だけでなく、税金についてもアドバイスが可能な弁護士がおりますので、お気軽にご相談ください。

 

 

不動産を売却してお金で分けるよう遺言に残せる?

悩む三姉妹私は、いくつかの不動産を持っているのですが、子どもたちがそれらの不動産をほしいと言っており、私が死んだときに子供たちで紛争になるのではないかと心配しています。

不動産を売却してお金で分ければ紛争にならないと思うのですが、そういった遺言をすることは可能でしょうか。

不動産やその他の財産をすべて売却して、現金を相続人で分けるという遺言をすることができます。

これを清算型遺言と呼びます。

弁護士入野田智也のイラストしかし、不動産売却時には相続人名義の登記を経由する必要があり、その登記が可能かを遺言前に検討しておく必要がありますし、不動産を売却した際に譲渡所得が発生し、税金がかかることもしばしばありますので、注意が必要です。

 

 

不動産を売却しての分割を求める遺言

清算型遺言

遺言書遺言では、特定の物を特定の人に相続させるように遺言を残したり、〇〇さんには4分の3、××さんには4分の1を相続させるといったように、相続させる割合を決めたりすることができますが、以下のように、相続財産を全て又は一部を現金化して、その現金で遺言者の債務や現金化に要した費用、葬式費用などを控除した残額を分けるように指定することもできます。

これを清算型遺言と呼びます。

「遺言者は、遺言者が有するすべての財産を処分又は換価し、その代金から遺言者の債務及び処分、換価のために必要な費用並びにその他本遺言を執行するのに必要な費用を控除した残金を、〇〇(平成〇年〇月〇日生)に4分の3、××(平成×年×月×日生)に4分の1の割合で相続させる」

 

遺言執行者の必要性

面談清算型遺言の場合、その遺言をしっかりと執行してもらうための遺言執行者を指定しておくことが望ましいと言えます。

遺言執行者がいない場合には、誰が換価手続きをするのかで紛争になる可能性があり、それでは遺言者の意思が実現されないことになりかねません。

また、遺言執行者を相続人に指定すると、遺言の執行に疑義が生じたり、不動産の登記手続きなどを円滑に行うことが困難な場合があるため、相続や遺贈を受ける者ではない弁護士などの第三者を遺言執行者に指定するのが良いと言えます。

 

不動産の登記手続や課税関係の検討

書類と印鑑不動産売却にあたっては、相続人の一部が不在である場合や、遺言者の戸籍謄本等が一部入手できない場合など、不動産登記との関係で手続きができない或いは難しい場合がありますので、その点を考慮した上で、遺言を残すようにしたほうが良いでしょう。

また、清算型遺言の場合には、不動産売却の必要があり、その際に不動産の購入費用が分からないと、多額の譲渡所得が生じてしまい、多額の税金がかかることもありますから、遺言作成の際には課税関係にも留意するべきです。

 

説明する男性のイメージイラスト遺言を作成する際には、上記のような問題を含め、法的な問題や手続きの問題がありますので、一度弁護士に相談されることをおすすめします。

当事務所では、相続に特化し、税理士登録もした弁護士が対応しますので、安心してご相談ください。

 

 

遺産となる不動産の固定資産税を支払ったら精算できる?

遺産分割が成立する前であっても、固定資産税などの遺産の管理費用が生じるケースがあります。

その場合、現在遺産分割中であることを理由に支払いを猶予してもらえることもありますが、相続人の中の1人が代表して負担をするということも少なくありません。

そのため、固定資産税等の遺産の管理費用を負担した相続人が、遺産分割の中でその費用の清算を求めることができるかが問題となります。

 

解説するイメージイラスト

この点、学説は、積極説、消極説、折衷説に分かれており、裁判例も一致してはいません。

もっとも、実務においては、折衷説に従った運用がされていると言われています。

折衷説とは、遺産管理費用は、相続開始後に生じた債務負担の問題であるから相続財産とは別個の性質のものではあるが、遺産分割の特殊性から、当事者が遺産分割の対象とすることに合意した場合は遺産分割の対象としてよく、相続人間で意見の調整が出来ない場合については別途民事訴訟により解決すべきである、という説になります。

 

つまり、相続人間において、遺産管理費用を遺産分割の中で調整する旨の合意があれば、相続人間の話合いの中ではもちろん、遺産分割調停の手続の中でも遺産管理費用を考慮することができることになります。

しかしながら、遺産管理費用の支出金額や分担について争いがあり、遺産分割調停の中で話合いが出来ない場合については、遺産管理費用が遺産分割審判の対象にはならないため、遺産分割調停とは別に、民事訴訟手続をとる必要があります。

 

お金と不動産のイメージ画像

以上のように、遺産分割に関連する問題には、手続上複雑な問題が絡んでくるため、遺産分割に関する問題をどのように進めて行ったらよいか分からないという方は、是非一度、専門家である弁護士にご相談することをお勧め致します。

 

なお、遺産となる不動産から収益が得られる場合の分配方法については、こちらをご覧ください。

 

 


なぜ弁護士に相談すべき?