特別受益がある場合の遺留分はどうなる?相続放棄の場合は?

遺留分

掲載日:2017年5月8日|最終更新日:2019年6月4日

お金を手にする女性のイラスト親(Aさん)が亡くなったのですが、特に相続の手続をする必要があるような遺産はありませんでした。

しかし、妹(Bさん)は親から特に可愛がられており、親が亡くなる10年以内に、何回か数百万円単位の金銭をもらっていたので、それが特別受益に当たるのではないかと思いましたが、遺言が見つかり、妹にあげた金銭を持戻免除すると書かれていました。

私(Xさん)は結局、妹に何も請求できないのでしょうか?
また、妹は相続放棄をするとも言っていたのですが、その場合はどうなるのでしょうか?

解説する女性のイメージイラスト遺留分侵害額請求ができる可能性があります。

ただし、相続放棄をしている場合は現実的には困難だと思われます。

特別受益の持戻免除の意思表示

お金のイメージ画像まず、BさんがAさんから受けた数百万円の贈与が特別受益に該当する場合には、その額が遺留分算定の基礎財産へ算入されます。

そして、持戻免除の意思表示はその持ち戻しを免除するというものですが、遺留分の趣旨からして、持戻免除があったからと言って、遺留分算定の基礎として持ち戻しがされなくなるわけではないというのが判例の立場です。

そのため、持戻免除の意思表示があったとしても、遺留分侵害額請求をすることで、遺留分の侵害の限度で持戻免除の意思表示は失効することになります。

そのため、Xさんは泣き寝入りをすることはなく、Bさんに遺留分侵害額請求できることになります。

 

相続放棄がされている場合

悩む女性のイメージイラスト一方、Bさんが相続放棄をしている場合には、そもそも特別受益の話にはならないと考えられています。

特別受益は、共同相続人でなければ考慮されないので、相続放棄によって共同相続人としての地位を失ったBさんが受けた贈与については特別受益ということはできなくなるからです。

しかし、遺留分算定の基礎には、特別受益(10年以内のもの)だけではなく、以下の贈与が含まれます。

①被相続人の死亡から1年以内になされた贈与
②遺留分権利者を害することを知ってなされた贈与

そのため、Bさんが相続放棄をしても、AさんからBさんが受けた贈与が上記①又は②に該当すれば、遺留分侵害額請求をできることになります。

弁護士入野田智也イラストただし、①は比較的容易に証明できますが、②については、相当前の贈与について、「遺留分権利者を害することを知ってなされた」と証明することは困難なため、現実には遺留分侵害額請求できない可能性が高いと思われます。

遺留分侵害額請求については、特別受益の判断や、その他の相続の知識も必要となるとても難しい分野です。

当事務所では、家事事件チームを組み、このような難しい問題にも対応できるようにしていますので、ぜひ一度ご相談ください。

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遺留分の計算式・請求方法等について、詳しくはこちらのページをご覧ください。

 

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