自宅を確実に配偶者に残す方法はありますか?



悩む夫婦のイメージイラスト私には、相続人として配偶者である妻と前妻の子どもがいます。

自分の死後、子どもが妻を自宅から追い出すのではないかと心配なので、妻に確実に自宅がわたるようにしたいです。

どうしたらよいでしょうか?

自宅不動産の相続の解説画像

配偶者に自宅が渡るようにするためには、Aさんに生前贈与する方法と、遺言によりAさんに相続させる方法が考えられます。

また、Aさんが自宅に住むことが目的だと思いますので、その場合には、Aさんが死亡するまでの居住を目的として使用貸借する旨を定めておく方法でも対応できます。

 

1 配偶者に生前贈与する方法

解説する男性のイメージイラストこの方法では、自宅以外に特にみるべき財産がないと、Bさんから遺留分減殺請求がされる場合があります。

自宅贈与の後1年以内にXさんが死亡した場合や、自宅以外に見るべき財産がなく、「遺留分権利者に損害を加えることを知って」生前贈与をした場合には、Xさんの死後、自宅の贈与が遺留分減殺請求の対象となります。

また、自宅の贈与が特別受益とされる場合にも遺留分減殺請求の対象となります。
そして、Bさんから遺留分減殺請求をされると、当該不動産の4分の1が共有となるか、4分の1の価値に相当する分の価額弁償をする必要が生じます。

 

遺留分減殺請求はBさんの意思にかかっているので、請求を防ぐ方法はありません。
そのため、対処法としては、自宅の贈与と合わせて価額弁償分をAさんに贈与しておくか、遺留分を現金として残しておくしかありません。

ただし、仮に価額弁償をできず、共有になった場合でもAさんが追い出されるわけではありません。
Bさんは、Aさんに対し、持ち分があるので使用させるよう請求するか、持分権が侵害されているとして、賃料相当額の4分の1(持分)にあたる損害賠償を請求できるにとどまります。

相談する女性のイラスト生前贈与の際に最も気を付けなければならないのが、税関係です。
贈与を受けたAさんは、贈与税が課され、贈与税は相続税より高額となるのが一般的です。
また、不動産取得税や登録免許税も、以下、2で解説しているの遺言で相続させる方法より高くなってしまいます。

もっとも、20年以上の婚姻関係がある夫婦において、居住用財産を贈与する場合には、贈与税の基礎控除110万円に加えて、贈与税の配偶者控除と呼ばれる2000万円の控除を用いることができます。
つまり、自宅の価値が2110万円以内であれば、贈与税はかからないということになります。

ただし、配偶者控除を受けるためには申告の際に所定の添付資料をつけなければならないなどの手続がありますし、贈与税はかからなくても不動産取得税や登録免許税はかかるので気を付けなければなりません。

 

2 遺言により子どもに相続させる方法

遺言書のイメージ画像遺言に、「Aさんに〇〇を相続させる」と残す方法です。

この方法では、自宅をAさんに渡すことはできますが、遺留分減殺請求の対象とはなりうるので、生前贈与の場合と同じ問題が生じます。

ただし、相続税については、配偶者の税額軽減の制度があり、1億6000万円までの自宅なら税金はかかりませんし、不動産取得税もかかりません。

そして、登録免許税も生前贈与の場合よりも少ないのです。

 

3 配偶者と子どもの間で使用貸借契約を結ばせる方法

家XさんとAさんとで、Aさんが死亡するまで自宅を使用貸借する契約を結んでいれば、Xさんの死後も、Aさんが死亡するまでの自宅として、無償で使用し続けることができます。

Xさんとしては、Xさんの死後、Aさんが死ぬまで自宅に住まわせてあげたいという希望だと思いますので、使用貸借という方法はデメリットもほとんどなく、効果的です。

一つ考えられるデメリットは、Bさんが相続した持分権を第三者に売却した場合に、その第三者には使用借権があると主張できないという点です。

ただ、持分権を第三者が購入するとはことはほとんどないので、それほど気にすることではありません。

 

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