遺留分の請求の対象は選べますか?【弁護士が解説】

相続

悩む女性のイメージイラスト遺留分減殺請求を行使したいと考えていますが、減殺の対象となる遺贈や生前贈与が複数ある場合、遺留分を確保するための減殺の対象は自由に選べますか。

選択自由に選ぶことはできません。順序が決まっています。

遺留分侵害額請求の順番

遺留分侵害額請求の順番は、下表のとおりに整理されます。

状況 請求の順番 備考
第1順序 遺贈贈与がある場合 遺贈から請求
第2順序 遺贈が複数ある場合 遺贈の価額の割合に応じて請求 ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う
第3順序 遺贈が請求され、それでも遺留分が保全されない場合 贈与が請求の対象
第4順序 贈与が複数ある場合 相続開始時に近い贈与から請求し、順次前の贈与に遡る 贈与が同時の場合は、第2順序に準じて請求
民法1047条1項
受遺者又は受贈者は、次の各号の定めるところに従い、遺贈(特定財産承継遺言による財産の承継又は相続分の指定による遺産の取得を含む。
以下この章において同じ。)又は贈与(遺留分を算定するための財産の価額に算入されるものに限る。以下この章において同じ。)の目的の価額(受遺
者又は受贈者が相続人である場合にあっては、当該価額から第1042条の規定による遺留分として当該相続人が受けるべき額を控除した額)を限度として、遺留分侵害額を負担する。
一 受遺者と受贈者とがあるときは、受遺者が先に負担する。
二 受遺者が複数あるとき、又は受贈者が複数ある場合においてその贈与が同時にされたものであるときは、受遺者又は受贈者がその目的の価額の割合に応じて負担する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。
三 受贈者が複数あるとき(前号に規定する場合を除く。)は、後の贈与に係る受贈者から順次前の贈与に係る受贈者が負担する。

 

 

死因贈与がある場合の請求は?

死因贈与は、遺贈に次いで、生前贈与より先に遺留分減殺の対象とするべきとされています。

ポイント弁護士

死因贈与は、贈与する人が死亡した時点で、事前に指定した財産を贈与するという贈与契約です。

形式は贈与ですが、実質は遺贈に近いという性質を有しています。

そのため、裁判例は、まず、遺贈から請求し、それでも遺留分が保全されない場合に生前贈与よりも先に対象とすべきと判断しています(東京高判平12.3.8)。

 

 

「相続させる」遺言の請求は?

手この旨の遺言は、遺贈と同視されます(東京高判平12.3.8)。

以上をまとめると、次の順番となります。

遺贈・「相続させる遺言」 → 死因贈与 → 生前贈与

遺留分について、より詳しくはこちらのページをご覧ください。

 

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