寄与分がほかの相続人の遺留分を侵害。寄与分と遺留分はどちらが優先される?



悩む女性のイメージイラスト相続にあたって寄与分が認められましたが、ほかの相続人の遺留分を侵害すると言われました。寄与分と遺留分はどちらが優先しますか。

 

解説する男性のイメージイラスト寄与分が優先します。

遺産分割において、共同相続人の一人に寄与分が認められた場合、ほかの共同相続人の遺留分を侵害するような寄与分の額を定めることができるか否かが問題となります。
この点、寄与分の額には上限がありません。つまり、遺贈を控除した額の範囲内であれば、遺留分の額に食い込む寄与分が認められることがあります。すなわち、寄与分は遺留分に優先するということです。

寄与分を定めるにあたっては、寄与のないような程度に応じて遺留分を考慮しつつ妥当な裁量によって、その額を定めることが求められています。

《東京高決平成3年12月14日》

裁判例のイメージイラスト「寄与分の制度は、相続人間の衡平を図るために設けられた制度であるから、遺留分によって当然に制限されるものではない。しかし、民法が兄弟姉妹以外の相続人について遺留分の制度を設け、これを侵害する遺贈及び生前贈与については遺留分権利者及び承継人に減殺請求権を認めている(1031条)。一方、寄与分について、家庭裁判所は寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して定める旨規定していること(904条の2第2項)を併せ考慮すれば、裁判所が寄与分を定めるにあたっては、他の相続人の遺留分についても考慮すべきは当然である。確かに、寄与分については法文の上で上限の定めがないが、だからといって、これを定めるにあたって他の相続人の遺留分を考慮しなくてよいということにはならない。むしろ、先に述べたような理由から、寄与分を定めるにあたっては、これが他の相続人の遺留分を侵害する結果となるかどうかについても考慮しなければならないというべきである。」

>> 遺留分について詳しくはこちらをご覧ください。

>> 寄与分について詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

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