「寄与分」ってどういうときに認められるの?

寄与分

掲載日:2016年9月29日|最終更新日:2019年6月3日

解説する男性のイメージイラスト①相続人みずからの寄与があること、②当該寄与行為が「特別の寄与」であること、③被相続人の遺産が維持または増加し、④①と③に因果関係がある場合に、「寄与分」が認められることになります。

①相続人みずからの寄与があることについて

民法904条の2条に基づく寄与分が認められるのは、相続人に限られています。これは、寄与分が相続分算定を修正するために設けられたものだからです。寄与分を相続人以外の者を含めるとすれば、手続が煩雑になり、遺産分割が遅れることも理由に挙げられます。

 

②当該寄与行為が「特別の寄与」であることについて

「特別の寄与」とは、被相続人と相続人の身分関係に基づいて通常期待されるような程度を超える貢献である必要があります。
「特別の寄与」と認められる貢献の程度は、被相続人と相続人の各身分関係により差異が生じます。夫婦間の協力扶助義務(民法752条)、親族間の扶養義務・互助義務(民法877条1項)の範囲内の行為は、「特別の寄与」にはなりません。

 

③被相続人の遺産が維持又は増加したこと

相続人の行為によって、「その行為がなかったとすれば生じるはずの被相続人の積極財産の減少や消極財産(負債)の増加が防止」され、又は「その行為がなかったとすれば生じなかったはずの被相続人の積極財産の増加や消極財産の減少がもたらされる」ことが必要である。
すなわち、「維持」とは、放置していれば財産が減少していたところ、当該寄与行為によってそれを防止することができた場合をいいます。

注意すべき点は、被相続人への精神的な援助・協力のような財産上の効果のないものは寄与として考慮されないという点です。財産上の効果のないものは金額的な評価が不可能であるため、これを考慮するのは困難ですし、これを評価することとなれば、その評価が主観的なものとなり、かえって公平を害するからです。

 

④寄与行為と被相続人の遺産の維持又は増加との間に因果関係があること

寄与行為が財産上の効果と結びつかない場合、寄与分は認められません。一方、被相続人の財産が減少した場合でも、当然に寄与分が否定されるものではありません。寄与行為がなければ相続財産が現実の減少以上に減少したと認められるときは、寄与分が認められる余地があります。

解説する男性のイメージイラスト以上の4点を満たすことにより、「寄与分」が認められることになります。

従来、寄与分権者となり得るのは相続人に限定されていました。

しかし、相続権がない場合でも、被相続人の療養看護に貢献するケースは多く、そのような場合に、一切金銭を請求できないとすると、かえって公平の観点に反するような結果となることがありました。

このような問題に対応するため、相続人以外の被相続人の親族について、一定の要件のもとで、相続人に対して金銭請求をすることができる制度(特別の寄与)が創設されました(2019年7月1日施行)。

介護これによって、被相続人の親族についても、特別寄与料の支払いを請求できることとなっています。

なお、親族の特別寄与料の請求についても、基本的には相続人が寄与分と同様の要件が必要となります。

寄与分の要件・請求方法等について、詳しくはこちらのページをご覧ください。

 

寄与分についてご不明な点がございましたら、お気軽に当事務所弁護士へご相談ください。

 

 

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