腹違いの兄弟の相続はどうなる?異母兄弟の相続を弁護士が解説!

相続

掲載日:2018年5月10日|最終更新日:2019年10月9日

悩む女性

  • 腹違いの兄弟がいる場合の相続分はどうなる?
  • 腹違いの兄弟の相続に納得できない
  • 事前に腹違いの兄弟との相続トラブルを回避したい

当事務所の相続対策チームには、このようなご相談が多く寄せられています。

腹違いの兄弟がいる場合、相続分が複雑化する上、相続人間での感情的な対立が激化しやすく、素人の方だけでの解決は難しくなります。

相続が「争族」となる前に、当事務所までお気軽にご相談ください。

腹違いの兄弟とは

腹違いの兄弟とは、母親(又は父親)が異なる兄弟をいいます。

相続が発生した段階になってから、異母(異父)兄弟の存在が発覚するケースがあります。

例えば、父親が昔、離婚した際、その前妻との間に幼い子ども(A)がいて、その後再婚して、2人の子ども(B、C)を授かったケースを見てみましょう。

解説例この事案の場合、AとBCは、母親が異なる、腹違いの兄弟となります。

このような事案の場合、AとBCはお互いの存在を知らないことがあります。

ところがある日、父が高齢で亡くなったとします。

遺産分割協議はすべての相続人との間で行う必要があります。

そこで、遺産分割においては、まず、相続人の範囲を確定するため、過去の戸籍をたどって相続人の有無を調査します。BやCが相続人を調査する過程で、異母兄弟のAがいることが発覚しました。

女性そして、Aが相続権を主張してきたとします。

BやCからすれば、たとえAが父と血がつながっていたとしても、大昔に縁が切れているような者が突然、父の遺産取得を主張してくると納得できないでしょう。

他方で、Aとしても、父の記憶がなかったとしても、やはり自分の父親の遺産である以上、正当な権利を主張したいと考えてもおかしくありません。

BやCから非難されるいわれはないと考えるでしょう。

このような感情的な対立から、腹違いの相続問題は複雑化していくことがあります。

 

 

腹違いの兄弟の相続分は?

法定相続分について、民法900条は以下のとおり規定しています。

(法定相続分)
第900条 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
1 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1とする。
2 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、3分の2とし、直系尊属の相続分は、3分の1とする。
3 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、4分の3とし、兄弟姉妹の相続分は、4分の1とする。
4 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする。

では、腹違いの兄弟の場合はどうなるでしょうか?

具体例の方がわかりやすいので、上記の事例で解説します。

 

父が亡くなった場合

解説例この場合の法定相続分は、母が2分の1です。

子どもの法定相続分は2分の1ですが、3人いますので、6分の1となります。

1/2÷3=1/6

前妻はもらえないのか?と思われるかもしれませんが、離婚しているので配偶者ではなく、法定相続分はありません。

前妻が亡くなった場合

解説例前妻は再婚しておらず、Aの他に子どももいません。

したがって、この場合は、Aが前妻の全財産を相続します。

父と母が既に他界している場合:Bが亡くなった場合

解説例Bに配偶者や子どももいない場合、Bが亡くなれば、AとCが相続人になります。

しかし、腹違いの兄弟であるため、民法900条4号但書(父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする)によって、Aの法定相続分はCの2分の1となります。

したがって、Aが3分の1、Cが3分の2となります。

父と母が既に他界している場合:Cが亡くなった場合でCに妻子がいる場合

解説例Cが亡くなった場合、兄弟ではなく、優先順位の高い配偶者と子が相続人となります(民法900条1号、それぞれの法定相続分は2分の1)。
そのため、腹違いの兄弟の問題は生じません。

ところが、上記のケースで、もし、Cに子どもがいない場合はどうなるでしょうか?

この場合、相続人は、民法900条3号によって、「配偶者の相続分は4分の3とし、兄弟姉妹の相続分は4分の1」となります。

そのため、Cの妻の相続分は4分の3となります。

AとBについては、残りの4分の1をわけることになりますが、腹違いのAの法定相続分はBの2分の1です。したがって、Aの法定相続分が12分の1、Bの法定相続分が12分の2(6分の1)となります。

 

 

異母兄弟の相続の問題点

異母兄弟の相続について、特有の問題があります。

以下、解説するのでご参考にされてください。

①異母兄弟がいないかの調査が難しい

遺産分割協議は、すべての相続人との間で合意を行う必要があります。

そのため、異母兄弟であっても、遺産分割協議に加わっていなければ、遺産分割協議自体が無効となってしまいます。

遺産分割協議が終わってから、長年月が経過した後、異母兄弟が現れて遺産分割協議の無効を主張するというケースは多くあります。

このようなトラブルを防止するために、相続が発生したら、相続人調査を行って、異母兄弟の有無を確認する必要があります。

ところが、相続人の調査は決して簡単ではありません。

すなわち、相続人の調査は、まず、戸籍謄本を何通も取り寄せる必要があります。

新しい戸籍から古い戸籍まで調べる必要があるのです。

また、戸籍については、慣れていないと見方がわからないということがあります。

したがって、素人の方が自分で相続人を調査すると「相続人の漏れ」が生じることが懸念されます。

 

 

②法定相続分の算出がわかりにくい

法定相続分は、複雑な算定式によって算出します。

法定相続の割合について詳しくはこちらのページをご覧ください。

異母兄弟の場合は、上記のとおり、通常の法定相続分とはならないことがあるためより一層、気をつけなければなりません。

 

 

③解決まで長期間を要する傾向

老夫婦異母兄弟がいるケースは、親族間の対立が激化する傾向にあります。

対立が激化すると、相手に対する不信感が生じるため、遺産の範囲について争いとなることがあります。

例えば、被相続人の遺産目録を見ても、本当にすべての遺産が記載されているのか信じられなくなります。

また、遺産の範囲について争いがなくても、遺産の取り分について争いとなることがあります。

法定相続分といっても、異母兄弟の場合は不当であると感じる方が多いのです。

このような特殊性から、協議での解決が困難難しい傾向です。

相続人間の協議による協議による解決が難しい場合、家裁に遺産分割調停・審判を申し立てることとなります。

遺産分割調停等の手続は、一般的に長期間を要する傾向にあります。

どれくらいの期間が必要かは、相続人の数や争点の複雑性等によって異なりますが、短くて半年程度、長くなると数年かかっていると思われます。

 

 

異母兄弟がいるケースの遺産分割協議を成功させるポイント

専門家に相続人調査を依頼

遺産分割を進める前提として、相続人調査を的確に行わなければなりません。

素人の方が自分で行うのは難しく、また、可能であっても時間と労力を要するでしょう。

したがって、調査を専門家に依頼するという選択肢を持ち、検討すると良いでしょう。

相続問題に詳しい弁護士であれば、相続人調査についての依頼を受けてくれるでしょう。

法定相続分について相談する

相続人調査と同様に、法定相続分についても、専門家に相談するとよいでしょう。

相続人調査を依頼すると、法定相続分についてもアドバイスしてくれると思われます。

遺産分割協議の交渉を専門家に依頼

遺産分割協議を複雑化させず、協議で円満に解決させるために、専門家である弁護士に交渉を依頼するという方法が考えられます。

親族間では、冷静な話し合いが難しくても、プロの弁護士であれば、冷静に相手と交渉できるので、協議が成立する可能性が高くなります。

 

まとめ

以上、異母兄弟がいるケースについて、くわしく解説しましたが、いかがだったでしょうか?

遺産分割協議をスムーズに、かつ、適切に解決するためには、相続問題に対する専門知識と豊富な経験が必要となります。

そのため、相続問題に精通した弁護士への相談を強くお勧めしています。

当事務所の相続対策チームは、相続に注力する弁護士や税理士のみで構成される専門チームです。

遺産分割協議でお困りの方は当事務所までお気軽にご相談ください。

 

当事務所のご相談の流れについてはこちらのページをご覧ください。

 

遺産分割協議のサポートについてはこちらのページもご覧ください。

 

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