成年後見人になったら何をすればよいのですか?



就任直後

成年後見人に就任した直後は、主に以下の5つの事務を行う必要があります。

 

①財産の調査、財産目録の作成

書類成年後見人は、就任してから1か月以内に、成年被後見人(本人)の財産を調査し、財産目録を作成しなければなりません(民法853条1項)。作成した財産目録は、家庭裁判所へ提出する必要があります。

なお、後見が開始した後に本人の財産を管理するのは、成年後見人ですので、財産の調査にあわせて本人の預貯金通帳や印鑑などを引き継ぐ必要があります。

 

②年間支出額の予定

成年後見人は、就任後、毎年支出すべき金額を予定しなければなりません(民法861条1項)。

実務上、家庭裁判所は、年間収支予定表の作成及び提出を求める場合が多いですが、年間収支予定表を作成することで年間支出額の予定をしたという扱いになります。

 

③金融機関への就任の届出

後見が開始した場合、その届出をすべきことが多くの金融機関の預貯金規定で定められています。そのため、成年後見人は、成年被後見人が口座を有する金融機関に対し、後見開始の審判があった旨の届出をする必要があります。

 

④成年後見人の成年被後見人に対する債権債務の申出

成年後見人が成年被後見人に対して債権債務を有する場合であって、後見監督人がいるときには、成年後見人は、財産の調査に着手する前に、後見監督人にこれを申し出る必要があります(民法855条1項)。

成年後見人が、成年被後見人に対して債権を有することを知りながら、後見監督人に申し出ない場合には、その債権を失います(同条2項)。

※上記の申出義務は、後見監督人が選任されている場合についてのみ課されているため、後見監督人が存在しない場合には申し出る必要はありません。

 

⑤関係官署への後見開始の通知

役所介護保険、年金、公租公課等の関係官署へ後見開始の通知を行う必要があります。

※とくに年金は、定期的に届出をしなければ支給が停止される可能性がありますので、注意が必要です。

 

 

通常業務

成年後見人の通常業務には、①財産管理に関するものと②身上監護に関するものがあります。

 

①財産管理

成年後見人は、預貯金の管理、収入及び支出の管理等本人の財産管理を行う必要があります。

 

②身上監護

高齢者身上監護に関する職務として、医療、教育に関する契約、施設入所契約、介護に関する契約など成年被後見人の療養監護に関わる法律行為を行う必要があります。

※成年後見人が複数人選任されている場合には、①財産管理を担当する後見人と②身上監護を担当する後見人とが別個に存在することもあります。

 

③定期報告

成年後見人は、原則として年に1回、後見等事務報告書及び財産目録を作成し、家庭裁判所へこれを提出しなければなりません。

 

 

終了後

後見終了時には主に以下の4つの事務を行う必要があります。

 

①家庭裁判所への報告

被後見人の死亡等により後見が終了した場合、家庭裁判所に対し、後見の終了の報告をする必要があります。

 

②終了の登記

後見登記のある法務局に対し、後見終了の登記を申請することが必要です(後見登記等に関する法律8条1項)

 

③清算及び終了報告

ノートと電卓成年後見人は、後見が終了してから2か月以内に、後見期間中の収支決算を明らかにした上、後見終了時における財産状況を明らかにする必要があります。

収支決算及び後見終了時における財産状況は、家庭裁判所に対して報告しなければなりません。

 

④管理財産の引渡し

成年後見人は、成年被後見人の相続人等に対し、管理していた財産を引き継ぐ必要があります。

 

弁護士小村良之成年後見人の主な事務の内容は以上のとおりですが、これら以外にも様々な事務が存在します。

後見人等候補者になろうとしている方など後見人の職務内容をより詳しく知りたい方は当事務所へ一度ご相談ください。

 

 


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