成年後見開始の審判を申し立てるべき場合とは?



成年後見が開始されると、本人は、日常生活に関する行為以外の法律行為を単独で有効に行うことができなくなります。もし、これを行ったとしても事後的に取り消すことが可能です。

悩む女性そのため、成年後見が開始されると、判断能力が不十分な高齢者が不必要な金融商品を購入したり、不動産投資をすることによって損害を被ることを防ぐことができます。

また、本人の財産を管理するのは後見人ですので、成年後見が開始されれば振り込め詐欺の被害に遭う可能性も極めて低くなります。

したがって、認知症等を原因として本人の判断能力が低下している場合であれば、基本的には成年後見開始の審判を申し立てることをお勧めします。

ただし、以下4つの場合には後見の申立てをする必要性が高いため、すぐにでも成年後見開始の審判を申し立てることを検討すべきです。

 

本人による財産管理に強い不安がある場合

①本人に多額の財産がある、②本人が振り込め詐欺の被害にあったことがある、③本人が不必要な保険商品や不動産等を売買し、損をしたことがあるといった場合は、本人による財産管理に不安が大きい場合として、成年後見を申し立てる必要性が高いといえます。

 

 

親族による財産の使い込みが疑われる場合

使い込み判断能力が低下した本人の財産について、これを管理している親族が使い込みをしているといった事例は少なくありません。

成年後見が開始されると、本人の財産を管理するのは後見人であるため、親族による財産の使い込みを防止することができます。

また、後見人は、本人の財産調査をすることが可能であるため、成年後見が開始されると、親族によるそれまでの財産管理状況を明らかにすることができます。

したがって、親族による財産の使い込みが疑われる場合も成年後見を申し立てる必要性が高いといえます。

 

 

法律行為が予定されている場合

不動産の処分

車椅子の女性のイラスト認知症の方が施設に入所する際、自宅不動産をどうすべきかということが大きな問題となります。

自宅不動産に他に居住者がいない場合や不動産の売却代金を施設利用料に充てたいという場合、ご家族の方が不動産の売却を検討することが少なくありません。

不動産の売却にあたり、所有者の意思を確認されることになりますが、不動産の名義人が認知症に罹患している方である事例では、不動産仲介業者から、成年後見を申し立てない限りは取引をできないと拒否されることがあります。

 

遺産分割

判断能力が低下した方を相続人とする遺産分割をする場合、事後的に遺産分割の効力が争われ、再び遺産分割をやり直さなければならないという事態が生じかねません。

したがって、遺産分割をするにあたって、相続人の中に認知症等を原因として判断能力が低下している方がいる場合は成年後見を申し立てる必要性が高いといえます。

 

 

訴訟、調停及び審判が予定されている場合

公的書類訴訟、調停及び審判が予定されている場合、多くの方は弁護士を利用することになるかと思われます。しかし、本人の判断能力が低下している状態では、本人と弁護士が有効に委任契約を締結できないことが少なくありません。

したがって、①本人自身が交通事故に遭った場合や、親が交通事故で亡くなり、損害賠償請求権を相続した場合、②遺産分割で親族間に争いがある場合など、今後、訴訟や調停、審判が予定されている場合には成年後見を申し立てる必要性が高いといえます。

事務所玄関以上のように、成年後見を申し立てるべき場合は多岐にわたります。成年後見を申し立てるべきかどうか迷われた場合には当事務所へ一度ご相談ください。

なお、当事務所には、交通事故や遺産分割を専門とする弁護士が在籍しております。

交通事故や遺産分割が問題となる場合には、これらを専門とする弁護士と成年後見に注力する弁護士が共同して処理することが可能ですので、交通事故や遺産分割が問題になる場合にも当事務所へお気軽にご相談ください。

 

 


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