自筆証書遺言に、9月31日という存在しない日付。遺言書は有効ですか?



女性先日母が亡くなり、封筒に入れられた自筆証書遺言が見つかりました。

その後、検認の手続きをして遺言書を見ると、封筒にしか日付が書かれておらず、しかも書いてある日付が「9月31日」という存在しない日付でした。

この遺言書は有効なのでしょうか。

 

 

弁護士小野佳奈子遺言書には日付が必要とされており、日付が書かれていない遺言書は無効です。しかし、封印のある封筒の場合には、封筒も遺言書の一部として考えられますので、封筒に日付が書いてあれば、有効と解してよいでしょう。

日付の誤記については、9月31日という日付は存在しませんが、9月30日の誤記ということが分かると思いますので、有効となると考えられます。

 

日付の誤記と封筒の日付

封筒の日付

自筆証書遺言の場合、日付を自署でしなければ、遺言自体が無効となってしまいます。

では、遺言書自体に日付が記載されていない場合で、封筒には日付があるという場合は遺言書は有効でしょうか。

この点について、福岡高判昭和27年2月27日は、封筒が遺言書の一部と言える場合には、適式な日付の記載と言える、としています。

手紙つまり、封筒の日付の記載であっても、封筒が封印されており、封筒が遺言書の一部となっている場合には、遺言書は有効に成立しているといえます。

一方、封筒が封印をされておらず、ただ封筒に納められているという場合には、封筒を遺言書の一部とみることは困難でしょうから、遺言書は日付を欠き、無効となるでしょう。

 

日付の誤記

次に、日付が間違っている場合はどうでしょうか。

最判昭和52年11月21日は、「誤記であること及び真実の作成の日が遺言証書の記載その他から容易に判明する場合」には、遺言は無効とはならないと判示しています。

公的書類今回の9月31日という記載はどうでしょうか。

9月31日というのは、現実には存在しない日付ですが、一般的に9月の末日を示す記載と読み取ることができるかと思います。

この点は、裁判例もないので、争いがあるかもしれませんが、9月30日に記載されたということがある程度容易に判明するといえますので、遺言書は有効と解してよいのではないかと思います。

弁護士小野佳奈子自筆証書遺言書は、厳格な様式が決まっており、少しでも様式が異なる場合には遺言書自体が無効となってしまうおそれがあります。

そのため、少し費用はかかってしまいますが、公正証書遺言を作成するのをおすすめしております。

遺言書の種類はどれが良いのか、遺言が有効に記載できているか心配な場合には、当事務所に気軽にご相談ください。

 

 

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