仏壇は買い替えても良い?墓の維持管理費や祭祀料は、遺産分割で考慮してもらえる?



仏壇先日母が亡くなったのですが、私がお墓や仏壇を引き取るようにと書いた手紙を残していました。

しかし、仏壇は家に置くスペースもないので、処分して小さいものに買い替えたいとも思っていますが、そのようなことはして良いのでしょうか?

また、お墓などの維持管理費用や祭祀料がかかるのですが、遺産を分ける際にその費用は考慮してもらえるのでしょうか?

 

 

 

弁護士入野田智也お墓や仏壇などを処分することは自由ですので、処分しても問題はありません。

一方、お墓の維持管理費や祭祀料については、協議の段階で考慮してもらうことは可能ですが、裁判などで争った場合、その点が考慮されることはありません。

 

祭祀承継財産の処分と遺産分割での考慮

祭祀承継財産と財産の処分

仏壇法律上、お墓や仏壇のことを祭祀承継財産と呼んでいます。

そして、この祭祀承継財産について、亡くなった方の指定があった場合には、その指定された人が承継をするということになっています。

本件では亡くなった方が相談者を指定しているので、相談者が承継者となります。

承継者は、祭祀承継を守っていくような義務が課されていると考える人も少なくないかもしれません。

しかし、法律上、祭祀承継者は承継した後に祭祀義務を負うわけではありません。

そのため、祭祀承継財産を取得した後は、その祭祀承継財産を自由に処分できます。本件のように、仏壇を処分することも自由です。

 

お墓の維持管理費や祭祀料は考慮されるか

墓祭祀承継財産は、一般的な相続財産とは区別されています。

つまり、一般的に言われる相続と、祭祀承継財産の承継は別物なのです。

そのため、祭祀承継者が、お墓の維持管理費用や祭祀料を負担する立場にあったとしても、相続財産からもらえる相続分が増加したりするわけではありません。

あくまで、相続財産に関する話と、祭祀承継財産に関する話は別物なのです。

老人女性もっとも、遺産分割協議の段階で、祭祀承継者が負担する費用を考慮して相続財産の分割をするということは少なくありませんし、協議の段階で考慮することは自由です。

しかし、下記の裁判例が示すように、祭祀料などを祭祀承継者以外の相続人が分担する義務を負うわけではないので、裁判になった場合にはそれらの費用は考慮してもらえないということに注意が必要です。

東京高裁決定昭和28年9月4日

裁判所「利害関係人両名が本件家屋内において、仏壇その他を整えて被相続人〇〇の祭祀を行つているからといつても、抗告人らにおいて利害関係人らの行う右祭祀に協力し、將来これを継続するに要する費用を分担すべき法律上の義務あるものではない。」

葬儀祭祀承継については、感情的な対立も絡み、争いとなりやすいところです。

また、祭祀承継に関する問題については、弁護士によっても見解が分かれることも多く、専門家でない者にとっては判断が大変難しいといえます。

当事務所では、相続を専門としている弁護士が相談を受けますので、まずは一度ご相談ください。

 

 

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