他の相続人が勝手に引き出した預貯金の返金を認めさせた事例

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。


事例人物
Bさん(50代)

相談者 Bさん
相続人 子どもBさん、子どもCさん、子どもDさん
被相続人 85歳で死亡(男性Aさん)
遺産 1000万円程度

相談の経過

Bさんは、父のAさんが亡くなったことを1年以上も知らされることなく、その間に兄弟姉妹のCさんとDさんが預貯金口座からほぼすべての金銭を引出していました。

また、Aさんの死亡後だけではなく、生前にも多額の引出しをしており、その額は4000万円以上にものぼりました。

そこで、困ったBさんは、今後のことについて、弁護士に相談し、依頼をしました。

 

 

弁護士の関わり

協議段階

弁護士Bさんから依頼を受けた弁護士は、まずはCさんやDさんへの連絡を試みました。

連絡は取れたのですが、すぐに弁護士が就き、死後の引出しについては法定相続分を返金するとの提案がなされました。

しかし、生前の引出しについては何ら返還する意思はなく、死後の引出しについても葬儀費用を控除した額を支払うという提案がなされ、その後も生前の引出しは被相続人Aからの贈与であったとの一点張りで、結果として協議は進みませんでした。

また、弁護士は、協議の段階で並行して銀行などの金融機関への遺産調査及び遺産の引出人の調査、並びに被相続人Aの生前の状態を調査するために病院や施設などへの診療録等の照会をしました。

これらは、訴訟になった場合の証拠集めを兼ねて行われましたが、Aは死亡する1年ほど前から認知症がひどく、とても引き出すことができる状態ではなかったのです。

これらの事情については協議段階でも説明しましたが、CさんやDさんは納得せず、Bさんも死後の引出しの分のみで解決することでは納得できなかったため、訴訟に至ったのです。

訴訟段階

訴訟に至った後は、病院等から取り寄せた証拠を提出し、Aが引出や贈与をすることができない状態であったことや、CさんやDさんの主張が変遷を重ねており、事実に反することが多々あることの主張を続けました。

そうしたところ、裁判官より被告のCさんやDさんに対して、生前の引出しも一部は返還しなければならない旨の心証を開示され、その前提で和解が進むことになりました。

その和解では、こちらの請求が満額認められたわけではないですが、謝罪も含む内容にしてもらうことができ、Bさんにも満足してもらうことができました。

 

 

補足

弁護士弁護士を就けることで、相手方に弁護士が就くことは少なくありません。

その場合、法的な見通しをもってお互いに話し合うことができるので、話し合いもスムースに行くことが多いです。

もっとも、証拠が少なく、法的な見解にも隔たりがある場合には、まずは証拠を収集して、その証拠に基づいて相手を説得することが必要になります。

今回の件は、協議では決着することができませんでしたが、協議段階での相手の主張や病院等から取り寄せた証拠によって、裁判官の心証をこちらに有利に傾かせることができ、それによって謝罪を含む和解をすることができたため、単に判決をもらうよりも依頼者の気持ちの面も組んで解決をすることができました。

このように弁護士に依頼することで相手方に弁護士を就けることができ、それによってよりスムースに事案を解決することができることは多々あります。

また、証拠集めは、どこにどのような証拠があるのか、その事案の証拠として何が重要かを判断する経験や知識が必要になり、証拠が破棄されないうちに早期に行動する必要があります。

そのため、適切な見通しなどを就けるためにはその分野に精通した弁護士に依頼する必要がありますので、まずは相続に強い弁護士に相談することが解決への第一歩となります。

 

 

解決事例一覧

なぜ弁護士に相談すべき?