寄与分の成立要件、寄与行為の類型


寄与分の成立要件

寄与分が認められるには、

 

①寄与行為の存在

②被相続人の財産の維持又は増加があったこと

③特別の寄与と認められること

④寄与行為と被相続人の財産の維持又は増加との間に因果関係があること

 

の4つの要件をみたす必要があります。

 

 

寄与行為の類型

寄与行為の類型は、大きく5つに分けることができます。

 

①家業従事型

132682「被相続人の事業に関する労務の提供」により、相続財産の維持形成に寄与する類型です。

 

典型的なものは、被相続人の行っている農業に従事することですが、ここでの事業は農業に限らず、医師や税理士などの専門職も含まれます。

 

②出資型

153772「被相続人の事業に関する財産上の給付」により相続財産の維持形成に寄与する類型になります。

 

事業資金を援助したり、事業に必要な不動産を貸したり、ということが考えられます。

 

③療養看護型

107572「被相続人の療養看護」を行い、被相続人による看護費用等の支出を免れ、相続財産の維持等に寄与する類型になります。

 

ここでの療養看護は、被相続人と相続人の関係上、当然に期待される程度を超える療養看護が求められます。したがって、たとえば、入院した被相続人をたまに見舞う程度では足りず、介護に専念していたといえるほどの厳格な事情が必要になります。

 

④扶養型

相続人が被相続人の生活費等を捻出することで、被相続人が生活費等の支出を免れ、相続人が財産の維持等に寄与したといえる類型です。

 

審判例では、母(被相続人)と同居していた二男が、父の死後、約18年間母と同居し、多額の小遣いを与えるなどして扶養し、母が18年前に父から相続した相続財産が生活のためほとんど使われていないと見られる事案において、扶養型の寄与行為を認め、730万円の寄与分を認めたものがあります。

 

⑤財産管理型

被相続人の財産を管理したり、維持費を負担するなどして、被相続人がその費用を免れるなどし、財産の維持管理に寄与する類型をいいます。

 

被相続人所有の不動産の固定資産税などの負担も、これにあてはまります。

 

審判例には、今回の相続の対象となっている不動産をめぐる訴訟の一審で被相続人が敗訴したが、その後、相続人の1人が被相続人のために証拠収集をした結果、控訴審で逆転勝訴した事案で、証拠収集をした相続人の顕著な貢献を認め、今日の遺産の存在には、その相続人の功績は無視できないとして、寄与分を認めたものもあります。

 

もっとも、これらの枠に必ずしも当てはまらない寄与行為もあるでしょう。

その際は、個々の事情を上げて、相続財産の維持形成にどのように貢献したのかを説明する必要があります。

 

寄与分の判断には、高度の専門的な知識が必要です。

詳しくは、相続専門の弁護士にご相談ください。

 

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