遺産の範囲


民法896条によると、被相続人の一身に専属するものを除き、被相続人の財産に属した一切の権利義務が相続の対象となります。

では、具体的にはどのようなものが遺産の範囲に含まれるのでしょうか。

 

 

【当然に遺産の範囲に含まれるもの】

①預貯金

153772預貯金は、分割が可能な債権として、当然に相続分に応じて分割されると考えられています。

例えば、100万円の預貯金が残っており、被相続人が夫、相続人が妻及び子2人の場合、相続分は妻が2分の1、子がそれぞれ4分の1になります。

したがって、100万円の預貯金は、当然に妻が50万円、子がそれぞれ25万円ずつを分割して承継するものと考えられています。

 

②現金

③不動産

④不動産賃借権

⑤投資信託


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しかし、遺産の範囲に含まれるからといって、必ずしも遺産分割の対象になるとは限りません。

たとえば、預貯金は、法律上当然に分割される可分債権として、相続分に応じて当然に承継するものと考えられるために、遺産分割の対象から原則的には外れることになります。

もっとも、そう考えると、相続人間で柔軟な解決を図ることが困難になります。そこで、共同相続人全員の合意により、預貯金を遺産分割の対象財産に入れることが実務上多く行われています。

 

 

 

【遺産の範囲に含まれるか、検討が必要なもの】

①ゴルフ会員権

ゴルフ会員権は、いくつかの種類に分けることができます。

また、定款や会則規定などによって、その相続性に触れられている場合があります。

それらを1つ1つ確認して、遺産の範囲に含まれるかを検討する必要があります。

 

②知的財産権

知的財産権の多くは、遺産の範囲に含まれます。

しかし、著作者人格権のように、著作者の一身専属的な権利は、遺産分割の範囲から外れます。

 

③損害賠償請求権

損害賠償請求権は、大きく分けて財産的な損害賠償と、精神的な損害賠償(慰謝料)の2つがあります。

現在は、このいずれもが、遺産の範囲に含まれると考えられています。

 

④身分法上の権利

身分法上の権利は、一身専属性が強く、遺産分割の範囲から除かれるものが多いです。

ただし、扶養請求権が審判などで確定し、履行期も到来して個別の債権として発生しているなど、その具体的な内容が確定している場合には、通常の債権と同様遺産の範囲に含まれる場合があります。

このように、被相続人が残した財産が遺産の対象となるかの判断には、高度の専門的知識を有します。

詳しくは、相続専門の弁護士にご相談ください。

 

 

       
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