遺言の無効確認訴訟が提起された場合、有利な筆跡鑑定があれば勝てますか?



解説する男性のイメージイラストそれだけでは勝てるとはいえません。

まず、自筆証書遺言の無効確認を求める訴訟における遺言の効力の主張・立証責任は、遺言が有効であると主張する側にあります。

すなわち、訴訟が提起された場合には被告側が主張・立証責任を負うわけです。そうすると、被告側は筆跡鑑定を出して遺言の有効性を立証していきます。これに対して、原告側も別の筆跡鑑定を出して、立証を阻止していくことになります。

その結果、双方から異なる結果の筆跡鑑定が提出されます。このようなことは実務上よくあることです。

筆跡のイメージ画像筆跡鑑定が一方に有利なものであったとしても、筆跡の異同判定の対象資料となる日記や手紙、メモなどでも、それぞれ遺言者が書き方を変えていたり、略字を使用したりするなど、使用文字を変動させている場合もみられます。

また、対象資料が作成されてから遺言書が作成されるまでに年月が経過している場合においては、加齢に伴い、筆圧など文字の書き方に変化が生じていることも往々にしてあります。

したがって、対象資料のなかから、どの文字を選択するかによって、筆跡の異同判定の結論に差が出ることがありえるため、筆跡鑑定の結論には疑問が生じる場合もあります。すなわち、筆跡鑑定のみではその証明力に限界があるといえるでしょう。

裁判実務では、遺言の効力について結論を出すにあたっては、筆跡以外の当該事案における事情を総合的に考慮しています。

すなわち、当該遺言書の作成経過、遺言者と相続人らとの生活状態(利害関係や関係の良し悪しを含む)、遺言者の作成時における精神や身体の状況、その後の遺言者の行動などが重要な判断要素となるものと考えられます。

解説する男性のイメージイラストもちろん、筆跡鑑定の証明力に限界があるとはいえ、まずは筆跡鑑定をすることは必要不可欠でしょう。

そのあとで、筆跡鑑定を補完するような事情を主張・立証せねばなりません。

遺言無効確認の訴えが提起する場合・提起された場合、上記のような事情を念頭に置きつつ、ポイントを絞り効果的な攻撃防御をしなければなりませんが、法律の知識がなければなかなかそのように効果的な攻撃防御をすることが難しいのが現実です。

したがって、遺言無効確認の訴えを提起する場合あるいは提起された場合には、まずは弁護士に相談するのがよいでしょう。

私たちデイライト法律事務所では、遺言をはじめとする相続分野に特化した弁護士が、みなさまの相談を親身になってお聞きし、問題解決のための戦略を打ち出します。

 

 

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