検認手続きをしてしまった後では遺言の有効性を争うことはできないのでしょうか?



言い争いのイラスト母が亡くなり、自筆で書いた遺言書が出てきたため、検認手続きをしました。

その遺言書には、兄に4分の3、私に4分の1の割合で相続させると書いてありました。

しかし、遺言書に記されている日付は、母が認知症の症状が悪化した後なので、母の意思で書いたとは思えません。

兄とそのことを話したところ、「検認手続きを経たのだから遺言は有効だ」と言われてしまいました。

検認手続きをしてしまった後では遺言の有効性を争うことはできないのでしょうか?

弁護士竹下龍之介画像遺言の有効性は、検認を経たとしても争うことができます。

検認の手続きは、あくまで遺言書の原状を保全するだけの手続きであって、遺言書の有効無効を判断する手続きではないからです。

遺言の検認とは

裁判所のイラスト遺言は、その方式が厳格に決まっており、公正証書でない場合には、検認と呼ばれる家庭裁判所の手続きを経なければならないとされています。

この検認という手続きは、「遺言書の原状を保全する手続」と解されています。

つまり、遺言が偽造や変造される危険性があるため、状態を保存しておくだけの手続きにすぎないのです。

相談する女性のイラストそのため、偽造や変造の危険性がほとんどない公正証書遺言に関しては、検認が不要とされているのです。

以上で説明したとおり、検認は原状の保全手続きにすぎませんので、検認と遺言の効力は全く無関係であり、検認を経ていても、遺言が有効だということにはなりませんし、逆に検認を経ていないからと言って、遺言が無効となるわけでもありません。

そのため、今回のような場合は遺言書が死んだお母さんの意思に基づいて書かれたものではないから、遺言が無効である旨を主張して争うことができるのです。

検認手続の必要性

ポイントのマークこの検認の手続きを経ていない場合には、5万円以下の過料に処される可能性があります。検認の手続きはしっかり行いましょう。

また、検認を経ていない遺言に基づいては不動産の登記等を申請しても、却下されるのが実務の扱いですので、検認を経ない場合には、不動産の登記等の関係で問題が生じる可能性があります。

遺言書のイメージ画像加えて、検認を経ていない場合には、偽造や変造が疑われたりして相続人間の争いの火種になることがしばしばあるので、その点でも検認の手続きは経ておくべきと言えます。

検認により遺言書の有効・無効が決まるものではありませんが、遺言が無効だということを主張するのは法的な判断が必要で、大変難しいことです。

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