親が死亡する前に孫が受けた留学費用は特別受益となりますか?



悩む男性のイメージイラスト先日、祖父(被相続人)が亡くなりました。

相続人である私の父(被代襲者)はすでに亡くなっており、私が祖父の代襲相続人となりました。

しかし、他の相続人である父の兄弟から、私が祖父から留学費用で多額の金銭をもらっていたことは特別受益にあたるといわれています。

私が受けた留学費用は特別受益となるのでしょうか?

被代襲者が死亡した後に、代襲相続人として利益を受けた場合は特別受益にあたります。

しかし、被代襲者が死亡する前に利益を受けた場合は、特別受益にあたるか争いがあり、審判例も分かれているところです。

 

父が死亡した後に、祖父に留学費用を出してもらっていた場合

解説する男性のイメージイラストこの場合には、相談者はすでに代襲相続人という推定相続人の地位を得ていたと言えます。

よって代襲相続人が留学費用という特別の利益を祖父に払ってもらっていた場合には、それが特別受益にあたるということに争いはないはずです。

 

父が死亡する前に、祖父に留学費用を出してもらっていた場合

解説する男性のイメージイラストこの場合には、前述のとおり、審判でも結論が分かれていますので、難しいところです。

実際の審判例は以下のようになっています。

 

大分家裁 昭和49年5月14日 審判

裁判などのイメージイラスト「代襲相続人が代襲により推定相続人となった後に被相続人から直接特別な利益を得た場合に」限って特別受益の持ち戻しを行うとしています。

「推定相続人となった後」という限定をかけていることから、父が死亡する前に祖父からもらったものについては、留学費用に限らず、特別受益とはなりえないという理解がされていることが分かります。

 

鹿児島家裁 昭和44年6月25日 審判

裁判などのイメージイラスト「受益者が、受益の当時推定相続人であったかいなかは重要でなく、代襲相続人は、受益の時期いかんにかかわらず持戻義務を負う」としています。

特別受益の制度の共同相続人間の相互の不均衡の調整という趣旨からして、受益の時期は関係ないという立場をとっているのです。

 

審判例も分かれているとおり、裁判所も何を基準とするかについての確たる基準を持っていないことが分かります。

 

注意点

説明する男性のイメージイラストもし代襲相続人の受けた特別の利益がある場合には、被代襲者が死亡した時期は必ず意識する必要があります。

被代襲者の死亡した後に留学費用を出してもらっていた場合には、争う余地はないと考えられますが、被代襲者の死亡前に留学費用を出してもらっていた場合には、争う余地がないわけではないのです。

しかし、結論はどちらになるかは裁判所次第なので、一度弁護士に相談してみて、交渉するべきか、審判を目指すべきかなどを考える必要があります。

また、争いになると、精神的にも、時間的にも損失を被ることになりますので、もし祖父の生前に持戻免除の意思表示を受けられるのであれば、その意思表示を書面として残しておくことで不要な争いを避けることができます。

このようなトラブルは相続専門の弁護士による対応が可能な当事務所にお気軽にご相談ください。

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特別受益についてはこちらもごらんください。

 

 

 

「特別受益」についてよくある相談Q&A