父から借りたお金や土地、建物は特別受益となりますか?



悩む三姉妹のイラスト父が亡くなりました。
私は、海外留学のために父から借りたお金をまだ300万円分返していませんでした(300万円の借入金)。
私の妹は、父の生前に、父から土地を無償で借りてその上に建物を建てて生活していました。
また、私の姉は、父の建物に無償で住んでいました。

私たち姉妹の借入金、土地の無償使用、建物の無償使用は、それぞれ特別受益にあたるのでしょうか。

相続専門の弁護士がそれぞれポイントに分けて回答します。

 

借入金について

通帳を見て悩む女性借りたお金は返す必要があるので、特別受益には当たりません。

ただし、借りたお金を返す必要がなくなった場合、つまり父親から免除を受けたような場合には、免除により利益を受けたことになり、それが特別受益にあたると判断されることはあります。

また、借りた後に何十年も一度も返済していない、父親も請求していないということになれば、借入金ではなく贈与だった又は黙示の免除の意思表示があったと判断される可能性も十分にあるので、気を付けましょう。

 

土地の無償使用について

土地についての疑問土地については、土地使用借権の生前贈与があったとして、土地使用借権相当額が特別受益に当たるとされています。
これは、使用借権が設定されていることにより、事実上その土地が減価するため、その分が利益であると考えているためです。

この考え方から、使用借権の設定されている土地をその権利を持つ相続人が単独で相続する場合には、減額する必要はないとして、特別受益を問題としないという考え方がなされています。

このときの注意点として、被相続人の生前に使用していたことをとらえて、地代相当額を特別受益としているものではないということです。あくまで、使用借権が設定されていることによる土地の減額分が特別受益とされているのです。

 

建物の無償使用について

家についての疑問建物の無償使用については、特別受益には当たらないといえます。

建物の無償使用については、使用借権が建物にあることによって建物の価値が減額することもないため、土地のようにその点を特別受益と考えることはしません。

また、土地と同様、建物の賃料相当額を特別受益と考えることもないといえます。

 

注意点

解説する女性のイメージイラスト建物や土地の無償使用については、常に黙示の持戻免除の意思表示を考える必要があります。

特に、被相続人の希望で同居していた場合や被相続人の介護等で同居していた場合などでは、そもそも使用借権が認められないこととの判断や、特別受益にあたらないとの判断がされる場合があると思われます。
こういった問題は専門家でないとなかなか判断は困難ですので、一度弁護士にご相談するほうが良いと思います。

このようなトラブルは当事務所にお気軽にご相談ください。

弁護士への相談はこちらからどうぞ。

特別受益について、こちらも合わせてごらんください。

 

 

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