兄の主張する寄与分が多く、私の遺留分が主張できないことはありますか?



事案

悩む女性のイメージイラスト私には父と兄がいます。私は一人で暮らしており、兄は高齢の父と一緒に暮らしていました。
父はここ数年、身の回りの世話を自分ですることもできない状態で、兄が父の世話をしていました。
先日父が亡くなり、父が残した遺産について遺産分割協議を行いました。兄は、父と一緒に生活し、身の回りの世話全般を引き受けていたことを理由に寄与分を主張しています。私も兄が父の身の回りの世話をしてくれたことには感謝しており、寄与分を認めること自体はかまわないのですが、兄の希望する寄与分が遺産の8割ほどを占めるため、兄の希望通りにすると私には遺留分すら残りません。
このように、兄の主張する寄与分が大きく、私の遺留分が侵害されるような事態は許されるのでしょうか。

 

解説する男性のイメージイラスト法律上、寄与分が多いために遺留分が減ってしまうことを禁じる規定はありません。

寄与分が遺留分に優先する関係にあると考えられています。

今回のケースのように、相続人の一人が被相続人の身の回り全般の世話(療養監護)に努めた場合には、寄与分が認められる可能性があります。

他方で、相続人には、被相続人が遺言をもってしても奪うことのできない遺留分というものが法律上認められています。

しかし、一方が大きいともう一方が侵害されてしまう関係にあるため、いずれが優先するかが問題になりますが、これについては寄与分が遺留分に優先する関係にあると考えられています。したがって、相続人は、寄与分を主張する相続人に対して、その寄与分を対象として遺留分減殺請求をすることはできないのです。

裁判などのイメージイラストもっとも、家庭裁判所の実務においては、遺留分を侵害するほど大きな寄与分を認められることは極めてまれです。

したがって、今回も、お兄さんは遺産の8割にもあたる寄与分を主張してはいますが、これが家庭裁判所での調停や審判になったときに、そのまま認められる可能性はそう高くはないでしょう。

現実の遺産分割協議において、寄与分の主張がなされることはよくあります。

しかし、寄与分がどれほど認められるかを判断するには、相続に関する専門的な知識が必要です。

寄与分に関してお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度相続専門の弁護士にご相談されることをおすすめします。

>> 寄与分の具体的な計算方法など詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

「寄与分」についてよくある相談Q&A