相続開始前に遺留分権の行使や放棄できますか?



解説する男性のイメージイラスト相続開始前の遺留分の放棄はできますが、遺留分権の行使はできません。

 

【相続開始前の遺留分権の行使】

遺留分権者は、相続開始前は何ら具体的な請求権を有せず、遺留分の保全行為もできません。

 

 

【相続開始前の遺留分の放棄】

裁判などのイメージイラスト遺留分権者は、相続開始前に、家庭裁判所の許可を得て遺留分を放棄することができます(民法1043条1項)。

この点、相続開始前の遺留分の放棄を無制限に認めると、被相続人の威圧によって遺留分権利者に放棄を強要されるなど濫用のおそれがあるため、家庭裁判所の許可が必要となりました。

裁判などのイメージイラスト遺留分放棄の許可は、被相続人となる者の住所地を管轄する家庭裁判所に審判を申立てることになります(家事法216条1項2号)。

遺留分放棄についての許可の審判において、家庭裁判所は、権利者の自由意思、放棄理由の合理性・必要性、放棄と引き替えの代償の有無などを考慮して許否を判断し、相当と認めるときは、許可の審判をします(家事法216条1項2号、別表第1の110項)。

そして、遺留分の放棄についての許可の申立てを却下する審判に対しては、申立人は即時抗告をすることができます(家事法216条2項)。

裁判などのイメージイラストまた、事前放棄の許可審判が出された後に申し立ての前提となった事情が変化し、遺留分放棄の状態を維持することが客観的に見て不合理・不相当となった場合、職権をもって放棄許可審判を取り消すことができます(家事法78条1項)。

遺留分放棄の代償としての贈与

お金のイメージイラスト遺留分を放棄した者が、その代償として贈与を受けていた場合において、遺留分を侵害された他の遺留分権者から遺留分減殺請求権を受けると、遺留分を放棄する代償として贈与を受けた者も相続人である以上、その贈与は、時期にかかわらず、減殺の対象となります。

 

 

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