生前贈与を受けていた場合、相続財産から別途、寄与分が認められる?



悩む女性のイメージイラスト寄与行為のある相続人が、被相続人から生前贈与を受けていました。このようなときでもその相続人は、相続財産から別途、寄与分が認められるのでしょうか。

 

解説する男性のイメージイラスト寄与相続人が、寄与に対する実質的な対価として生前贈与が行われている場合は、生前贈与の限度で寄与分が認められないでしょう。

被相続人と寄与した相続人との間で既に実質的に貢献する精算が行われている場合は、寄与分を改めて認める必要はありません。したがって、寄与に対する実質的な対価として生前贈与が行われている場合、生前贈与を持ち戻しの対象としない一方、その限度で寄与分を認めないことになります。

もっとも、生前贈与と寄与が対価関係になかったり、対価関係部分だけでは寄与を十分に評価しつくしていないというような場合があります。そのような場合には、生前贈与とは別に、あるいは対価関係を超える部分について別途寄与分を考える余地があります。

 

《盛岡家一関支部平成4年10月6日》

裁判例のイメージイラスト「寄与分の制度は、相続財産の増加ないしは維持に特別の貢献があった相続人と他の相続人との実質的公平を図る制度であるから、寄与相続人が、被相続人からの生前贈与を受ける等して寄与相当分が報われている場合は、その限度で寄与分の請求はできないというべきであるところ、前記認定の寄与分の評価額から申立人が被相続人から贈与を受けた価額を差し引いた」金額が、申立人が相続財産から「寄与分として請求できる額というべきである。」

遺贈との関係

お金のイメージイラスト被相続人が遺贈した場合は、寄与分は、相続財産から遺贈の額を控除した残額を超えることができません(民法904条の2第3項)。寄与分制度は、被相続人の意思に反しない限りでの寄与の保障に過ぎず、遺贈は寄与分により修正を受けません。

寄与分がどのようなときに認めれられるかは以下をご覧ください。

>> 「寄与分」ってどういうときに認められるの?

 

 

「相続」についてよくある相談Q&A