養子縁組をする前に受けた贈与は特別受益に当たりますか?



悩む男性のイメージイラスト私の妻の父親が亡くなり、 相続人は妻と妻の兄、そして養子縁組をしていた私の3人でした。

兄は、被相続人が生前に私をかわいがり、宝飾品や現金を私にくれていたことを知り、それは特別受益に該当するから、相続財産に持ち戻す必要があると主張してきました。

私が養子縁組をしたのは、1年前であり、贈与を受けたほとんどはずっと前のことなのですが、それでも特別受益になるのでしょうか。

解説する男性養子縁組をした後に被相続人から多額の贈与を受けていた場合には、それが特別受益とされることに争いはありません。

しかし、養子縁組をする前に受けた贈与については、それが特別受益と判断されるかは裁判所も見解を異にしていますので、どちらとも言えません。

 

 

特別受益者の範囲

 

握手をする男性のイメージイラスト特別受益者となる範囲については、基本的には推定相続人とされています。

そのため、贈与を受けた時点において推定相続人ではなかった場合に、その贈与まで特別受益となるかは争いがあります。

養子縁組の場合には、養子縁組の話も出ていない時点での贈与、養子縁組をすることが決まってから養子縁組の届け出をする間にされた贈与、養子縁組後の贈与の3つに分けられます。

 

養子縁組と特別受益

 

説明する男性のイメージ画像養子縁組をした後の贈与の場合は、特別受益者の範囲に含まれることには争いはないでしょう。

ここ最近の傾向としては、養子縁組はしていないものの、養子縁組が決まった後の養子縁組に牽連関係を持つ贈与も、特別受益の対象となることを認める立場が多数と言えます。

神戸家明石支審昭和40年2月6日も、この立場に立脚していると思われます。

もっとも問題となるのが、養子縁組をすることが決まっておらず、養子縁組とは無関係になされた贈与まで特別受益として扱うかです。

この点については、学説上や裁判例でも肯定例があります。

 

裁判例のイメージイラスト● 神戸家審平成11年4月30日

養子縁組となる前の土地の贈与について、「民法903条が共同相続人間の遺産分割に関する公平の理念に立脚しているものであること」と「本件事案の経緯」に照らし、「当初から推定相続人たる地位を取得していた場合に準じて扱うのが相当である。」と判断しました。

 

これらの裁判所の立場を分析すると、養子縁組前であっても、その事情如何によっては特別受益と扱うことを認めないと公平の理念にそぐわない場合があり、その場合には特別受益として扱うということでしょう。

そのため、事案に応じて公平の理念にそぐわないということをしっかりと主張立証していく必要があります。

譲渡するイメージ画像これらは弁護士でも難しい判断となりますが、当事務所では相続を専門とした弁護士が対応しますので、一度気軽にご相談ください。

 

 

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