自分の相続分を他の者へ譲渡することはできますか?



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11bb46c6002eae07f7b4258e97acbaa4_s可能です。

 

 

相続人の譲渡とは

民法905条第1項は、「共同相続人の一人が遺産の分割前にその相続分を第三者に譲り渡したときは、他の共同相続人は、その価額及び費用を償還して、その相続分を譲り受けることができる。」と規定しています。このことから、遺産分割前の相続分の譲渡は可能であると解されています。

 

相続分の譲渡は、次のようなケースで必要とされています。

・多数当事者の複雑な事案において、遺産の取得を望まない者等があって手続の進行に支障をきたす場合に、これらの物を相続分の譲渡により、手続から脱退させて、紛争の効率的解決を図る。

・内縁の配偶者など、本来相続人として扱ってよい第三者に対し、相続分を譲渡することによって、第三者が遺産分割に関与できる。

・共同相続人の1人に相続分を譲渡することにより、相続放棄や遺産分割に類似する機能が期待できる。

 

 

相続分の譲渡の要件

遺産分割前又はそれと同時に行われる必要があります。

理論上は口頭でも可能ですが、後日の紛争を避けるために、書面の方が安心です。

なお、一部譲渡についても認められています。

 

 

効果

譲渡人は、遺産分割手続から離脱しますが、移転登記義務、占有移転義務などを負うときは脱退できず、形式的に当事者として残り、事実上、利害関係人として参加することになります。

譲受人は、譲渡人が遺産の上に有する持分割合をそのまま承継取得し、遺産分割手続に関与することができるようになります。また、積極財産だけでなく、債務も承継することになります。

 

 

取戻権

cb4382a10755eafa1522ec7ba4c1025f_s相続分が相続人以外の第三者(内縁の妻など)に譲渡された場合、他の共同相続人は、その価額及び費用を償還して、相続分を譲り受けることができます(民法905条1項)。

これは、第三者が遺産分割協議に加わることを防止することを趣旨としており、共同相続人間の創造分の譲渡の場合には取戻権はありません。

なお、この「価額」については、取戻権行使時の時価と解されています。

 

 

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