相続対策とは、具体的にどういったことをすればいいのですか?



介護のイメージイラスト近年、高齢社会になり、相続に関心が集まっています。

平成になったあたりでは、日本の年間の死亡者数は80万人程度でしたが、平成27年には年間死亡者数は129万人にも及んでいるようです。

20年後には、人口が減り続けているにも関わらず、年間死亡者数が165万人を超えるという予想がされています。

相続税法の改正

裁判例のイメージイラストこのような予想の中、平成27年1月1日から改正相続税法が適用され、基礎控除額が4割減されました。

具体的な算出方法は以下の通りです。

3000万円+600万円×法定相続人数

配偶者一人と子ども一人が相続人の場合には、4200万円が基礎控除額ということになります。

基礎控除額が4割減したことにより、平成27年の相続税が課税された人の割合は、1.8倍になったということです。

このことから相続税対策及び納税資金対策が今後重要となってくるといえます。

 

相続?争族?

悩む三姉妹のイラスト相続は争族と呼ばれるほど、親族間の争いの種になっています。

相続人だけではなく、相続人の配偶者なども含めた親族同士が、相続を機に、泥沼の争いになっていくということは多いです。

現在、両親や兄弟とは仲がいいから相続も円満に行くとお考えの方もいると思いますが、相続になって激しい骨肉の争いとなることは決して珍しいことではありません。

そのため、相続対策には、争族対策も必要となるのです。

 

相続対策に必要な3つの視点

 

以上の話から分かるように、相続対策には、以下の3つの視点を持つ必要があるのです。

 

① 相続人が争うことのないようにする(争族対策)

② 税金をなるべくかからないようにする(節税対策)

③ 税金の支払いのための資金を準備しておく(納税資金対策)

 

相続専門の弁護士が、それぞれの視点から説明します。

 

1 相続人が争うことのないようにする(争族対策)

悩む夫婦のイメージイラスト
まずは、争族対策です。

これは、相続対策の中でも最も重要なことです。

争族になってしまえば、理論ではなく感情的な対立となり、争いは泥沼化するばかりです。

また、いくら節税策を講じ、納税資金を準備しても、親族が争い、お互いに弁護士をつけての争いになっては、経済的にも精神的にも疲弊してしまうだけではなく、親族というかけがえのないつながりを失うことにすらなりかねません。

争族対策は最重要の視点なのです。

 

遺言書のイメージ画像争族対策としては、遺言が思いつくかと思います。

どの財産を誰に相続させるか、どの割合で相続させるかは遺言によって決めることが可能です。

 

一方、この遺言は少し間違えれば争族の種になってしまうともいえます。

例えば、長男に家業を継がせたいと思い、全財産を長男に相続させるなどといった遺言をすれば、遺留分を求めて兄弟間で争いになることは必至です。

悩む男性のイメージイラストしかし、遺留分にだけ配慮すればよいというわけではありません。

他にも相続になれば、特別受益や寄与分といったものも問題とされることがあります。

また、遺言が見つからなかったり、その有効性が争われたりと、遺言はその作成をしっかりしなければ、相続の種になるものであると認識する必要があります。

そして、争族対策は他の対策をするときにも重要な視点となってきますが、それについては後述します。

 

2 税金をなるべくかからないようにする(節税対策)

 

相続時に相続税がかかることはご存知の方も多いかと思いますが、前述の平成27年1月1日からの改正相続税法の適用により、その相続税が課される範囲が拡大したため、節税対策にはかなりの注目が集まっています。

有名なところですと、贈与税の非課税枠である110万円の贈与をすることで、相続時の財産を減らすということが考えられるところですし、生命保険を用いた節税策もしばしば紹介されるところです。

これらの具体的な節税策については、こちらをごらんください。

 

母子しかし、目の前の節税策ばかりを考えてしまうと、争族になってしまう可能性があります。

例えば、養子縁組をすれば相続税の基礎控除が増えるため、養子縁組を節税策に用いるということがあります。

その場合に、法定相続人が配偶者と子どものみで、その孫を養子縁組するということであれば特に問題はないでしょう。解説する女性のイメージイラストしかし、子どもが複数いて、孫も複数いる中で、その一部を養子縁組した場合には、子どもや孫の間で不公平感が生じることは避けられないと言えます。

その場合には、生前にしっかりと協議をして取り決めをしておくなどが必要になります。

節税策になるからといって、一部の者を養子縁組することは、骨肉の争いへの扉を開けることになってしまいかねません。

これが、節税策を考えるにも争族対策の視点が必要だという意味です。

 

3 税金の支払いのための資金を準備しておく(納税資金対策)

家についての疑問

納税資金対策はあまり聞きなれない方も多いと思いますし、その必要性もそれほど認識されていないかと思います。

しかし、被相続人と居住していた相続人の一人がその住居と土地を相続し、他の相続人は他の財産を相続するという場面を考えてみてください。

 

通帳を見て悩む女性この場合、不動産を取得した相続人は、特に住居等の利用状況が変わっていないにも関わらず、相続税の支払いをしなければならないということになれば、どこからかその資金を用意しなければならないのです。

もちろん、他の相続人と相談して、納税資金として一部現金を相続できるなら良いのですが、そうでない場合には、不動産は得られても納税に困るということになりかねません。

このような場合の具体策としては、納税資金を必要とする相続人を生命保険金の受取人としておくことです。

これにより、生命保険金の受取人は固有の権利として生命保険金を受け取ることができるので、不動産を取得したうえで、保険金を納税に充てることができますから、問題を解決できます。

相談する女性のイラストまた、生命保険は相続税の基礎控除とは別に控除額があるので、節税策という面でも有効な対策といえます。

一方、生命保険金の受取人が子どものうちの一人だとしたら、他の子どもが不平等感を抱くということは容易に想像がつきます。

やはり納税資金対策においても、争族対策の視点が必要になるのです。

 

相続対策についてお考えの方は弁護士までご相談ください。

解説する女性のイメージイラスト

以上、相続対策における3つの視点を説明してきました。

ここで頭の隅においてほしいのは、3つの視点を忘れずに相続対策をするということです。

3つの視点どれかが欠ければ、結局は相続対策が失敗に終わってしまう可能性が高いです。

ぜひ、この3つの視点を忘れずに対策をしてみてください。

計算のイメージイラストもし相続対策でわからないことがあれば、相続は法律問題も税金問題も絡む難しい問題ですから、弁護士等専門家に相談するのが良いです。

当事務所には、税務知識も持った弁護士が在籍しておりますので、相続対策についてわからないことがあれば、お気軽にご相談ください。

弁護士へのご相談はこちらからどうぞ
 

関連Q&A


[ 相続Q&A一覧に戻る ]
 

弁護士が教える!相続お悩み別解説