虐待した家族に相続させたくないのですが、何か方法はありませんか?



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解説する男性のイメージイラスト相続人の廃除という手続があります。

 

相続人の廃除とは

075553相続人の廃除とは、遺留分を有する推定相続人(配偶者、子、直系尊属)に非行や被相続人に対する虐待・侮辱がある場合に、被相続人の意思に基づいて、その相続人の相続資格を剥奪する制度です。

 

相続人の廃除には、被相続人の申立てによる生前排除(民法892条)と、被相続人の死後、その遺言に基づいて遺言執行者が申し立てる遺言排除(民法893条)があり、いずれも被相続人の意思に基づくものです。

 

 

手続

申立てを受けた家庭裁判所が職権で排除原因の有無を調査します。

管轄は、生前排除は、被相続人の住所地、遺言排除は相続開始地(=被相続人の最後の住所地)の家庭裁判所です。

 

 

排除の効果

075538排除審判が確定すると、被排除者の相続権は剥奪されます。

ただし、被排除者に子等がいる場合、代襲相続することが可能です。

なお、この排除の効果を取り消すためには、被相続人又は遺言執行者が家庭裁判所に排除取消しを請求しなければなりません。

 

 

参考判例

【釧路家北見支審平17.1.26】

末期がんで自宅療養中の妻に対し、療養に極めて不適切な環境を作出した上、その人格を否定するような暴言をした夫について、「虐待」による排除を認めた。

 

【東京家八王子支審平3.10.31】

被相続人にぬるい湯が入ったやかんを投げつけ、「早く死ね」と罵倒し、被相続人に対する扶養義務も尽くさなかった事案で、「暴言等は一過性の侮辱であり、排除事由に当たらない」とした原審を取り消し、「重大な侮辱」があったとして排除を認めた。

 

【東京高決平4.10.14】

在学中から虞犯事件を繰り返し、長じては暴力団員と婚姻して婚姻に反対している父の名で披露宴招待状を出すなどした事案で、親が多大な精神的苦痛を受け、名誉を毀損されたとして排除を認めた。

 

【東京高決平23.5.9】

養子が、長らく入退院と手術を繰り返している被相続人の面倒を見ず、居住先の外国から年1回程度帰国して生活費を受領し、被相続人から提起された離縁訴訟等について、執拗に取り下げを迫った事案で、著しい非行を認定して排除を認めた。

 

 

 

「相続」についてよくある相談Q&A