夫が失踪しました。夫名義の不動産を売却してもよいですか?



answer

Aさんの夫Bさんは、9年前に家を出たまま帰らず一切連絡が取れないため、生きているかどうかもわからない状態です。生活に困っているAさんは、Bさん名義の不動産を売却したいと考えていますが可能なのでしょうか。

 

裁判などのイメージイラストAさんは、家庭裁判所に失踪宣告(普通失踪の場合)の審判を申し立て、Bさんが死亡したものとみなされれば、Bさんの不動産を相続することになり不動産の売却処分が可能になります。

 

不在者の生死が7年間明らかでない場合には、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができます(民法30条)。

失踪の宣告を受けた不在者は、7年間の失踪期間の満了時に死亡したものとみなされます(民法31条)。そのため、失踪宣告の審判を受けることにより、失踪者について相続が開始され、失踪した夫の財産を相続して処分することが可能となるのです。

 

解説する男性のイメージイラスト

ただし、気をつけなければならないのは、失踪宣告により死亡の効果が生じるのは、失踪者の従前の住所又は居所を中心とする失踪期間満了日の法律関係であり、失踪者の権利能力自体を喪失させるものではありません。

そのため、失踪者が生存していた場合に他所で生活していたことに基づく法律関係や、生存者が戻ってきてから発生した新たな法律関係には影響を及ぼしません。

 

 

また、失踪者が生存していた場合には、失踪宣告の取消しがされることになりますが、失踪宣告は取り消されると効力を失い、原則として失踪宣告はなかったものとして扱われます。

 

そして、本事例のように失踪者の財産を処分していた場合については、法律行為(本事例でいう不動産の売買)を有効として扱うには、法律行為の当事者双方が善意でなければなりません。

 

悩む女性のイメージ
したがって、Aさんが、Bさんが生きていることを知って失踪宣告をしてBさんを相続したような場合には、Bさんの不動産を買った人が善意であったとしても不動産の権利を取得できないということになります。

 

以上のように、失踪者の不動産の売却には失踪者生存の可能性も含めて検討をする必要があるため、ご不安な点がある方は是非一度専門家である弁護士にご相談することをお勧め致します。

 

失踪宣言について詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

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