預金の名義人が死亡した場合、利息の扱いはどうなりますか?



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d83e882d276b936b66caae3a617dc7f7_s法定相続分に応じて各相続人に帰属することになります。

被相続人の方の生前に発生した利息が相続財産となることは当然です。

しかし、相続開始後、預金の元金から生じた利息は、預金口座の名義人は亡くなっているため、どのように考えるかが問題となります。

この問題について、裁判例は、「預金の元金から生じる利息、遅延損害金も、法定相続分に応じて各相続人に帰属する」と判示しています(東京高判平成21年8月6日)。

したがって、各相続人は、銀行に対して、法定相続分に応じて利息を含めた預金の払い戻しを請求できることになります。

しかし、実際の銀行実務では、判例の立場とは異なり、相続人全員の同意書や遺産分割協議書の提出がなければ、相続人1人からの払戻請求には応じてくれません。

これは、銀行が相続人間のトラブルに巻き込まれたくないなどの事情があるからです。

もちろん、相続人1人でも、銀行相手に裁判を起こせば、払い戻しは認められますが、通常はそこまでしない(できない)ため、銀行は同意書等を求める対応を取ります。

そこで、現実的には、同意書等、銀行が求める書類を提出したほうが早いといえます。

 

 

預金口座の取引経過の開示請求

上記のとおり、利息は法定相続分に応じて共同相続人に帰属します。

しかし、相続人が被相続人の預金口座の内容について、把握していないことは多いと思います。

そこで、銀行に対して、取引経過の開示を求めることができるかが問題となります。

この問題について、以前は銀行によって「相続人は1人でも請求できる」という扱いと、「共同相続人全員で請求しなければならない」という扱いがあり、対応が分かれていました。

この問題で、裁判所は、共同相続人は1人でも銀行に対し、被相続人の預金口座の取引経過の開示を求めることができると判示しました(最判平成21年1月22日)。

したがって、現在は、戸籍謄本等によって相続人であること、また、印鑑証明書や身分証明書で本人確認ができれば、銀行は1人からの請求でも取引経過を開示してくれるはずです。

 

 

「相続」についてよくある相談Q&A