保証債務も相続の対象になりますか?



answer

原則として、一般の保証債務は相続の対象になりますが、身元保証債務は相続の対象になりません。
ただし、例外もあります。

 

一般の保証債務について

たとえば、お金の貸し借りに関して保証人となった後に死亡した場合、相続人は被相続人の保証人としての地位を相続することになります。

 

身元保証債務について

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もっとも、身元保証債務は、一般の保証債務と同様には考えられていません。

その理由は、身元保証債務の性質にあります。

 

 

そもそも、身元保証契約とは、身元保証人が、雇われた人の行為により雇い主が受けた損害を賠償することを約束する契約をいいます。

身元保証契約は、通常、保証人と本人の間の個人的な信頼関係を基礎として成立します。

そしてその契約内容は、保証期間を「本人が在職する限り」などとあいまいに定めることが多く、保証人はいつまで保証人として拘束されるのか分かりません。そのため、保証人に過度な負担がのしかかることも十分考えられます。

そこで、現在では「身元保証ニ関スル法律」が制定され、身元保証人の負担が過度なものにならないよう、様々な制限が設けられています。

 

 

このような身元保証契約ですが、裁判所は、身元保証契約によって生ずる債務が相続人にとって予測のできない責任を生ずる可能性があることから、相続性がないと判断しています。

したがって、身元保証債務は原則として相続の対象にはなりません。

 

チェック

しかし、身元保証人が生存している際に、身元保証の本人が事件を起こし、雇い主に具体的な損害賠償請求権が発生して売る場合には、相続人に承継されることになるので注意が必要です。
この場合は、身元保証人の生前に、身元保証人が損害賠償債務という具体的な金銭債務を負っているのですから、身元保証人が損害賠償債務を生前負担していない場合とは別に考えられるためです。

 

いまでは法律により制限も設けられている身元保証契約ですが、それでも過度な負担がのしかかる危険性もあります。

また、本来は相続の対象でないにもかかわらず、雇用主の方がよく理解しておらず、身元保証人の相続人に対し、身元保証人の死後に起きた事情を理由に責任追及してくることも考えられます。

 

被相続人の死後、身元保証契約を結んでいることが発覚するなどして、その対応についてお困りの方は、ぜひ一度、相続専門の弁護士にご相談されることをおすすめします。

 

 

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