どのようなものが相続の対象となりますか。香典、退職金、生命保険金等は相続財産に含まれますか?



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c35edfa497e9798dd667a174f9fa68a4_s原則として、一切の権利義務が対象となりますが、香典、死亡退職金、生命保険金請求権は相続の対象とはなりません。

 

相続について、法律には、次のように規定されています。

 

相続の一般的効力

民法第896条  相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。

「一切の権利義務」とは、動産、不動産のほか、債権(貸金など)、債務(借金など)を含みます。また、財産法上の法律関係(貸主としての地位など)をも含みます。

このように、相続の対象はとても広いです(包括承継)。

他方、「一身に帰属したもの」は、相続の対象となりません。

例えば、次のようなものがあげられます。

 

①法律の根拠規定があるもの

・代理権(民法111条)

・使用貸借における借主の地位(民法599条)

・雇用契約上の地位(民法625条)

・組合員の地位(民法679条)

・祭祀財産:祖先の祭祀の主宰者に帰属する(民法897条)

 

 

②その他原則として対象とならないもの

・扶養請求権

・財産分与請求権

・生活保護の受給権

上記については、一定額の給付請求権として具体化している場合(財産分与の調停が成立しているなど)は、対象となります。

 

 

法律相談でご質問が多いもの

・香典について

香典は、死者への弔意、ご遺族へのなぐさめ等を目的とする、祭祀主宰者やご遺族への「贈与」であると考えられており、相続財産には含まれません。

 

・死亡退職金

被相続人の死亡によって生じる権利であり、被相続人に属さない権利であるため、相続対象には含まれません。

 

・生命保険金請求権

これも、死亡退職金と同様、被相続人の死亡によって生じる権利であり、被相続人に属さない権利であるため、相続対象には含まれません。

 

・債務

上記のとおり、「権利」だけでなく、「義務」も対象となるため、返済期限が到来しているか否かを問わず、相続の対象となります。

 

78fecd0621af7bd846ed01b94c1d9d76_sまた、連帯債務の場合は、法律上当然分割され、各共同相続人がその相続分に応じて債務を承継します。

 

なお、金銭債務は「遺産分割」の対象とはなりません。

これは、金銭債務は相続により当然に各相続人に法定相続分で承継されると考えられているからです。もっとも、実務では、特定の者が債務を全部負担するという合意を行なうことがありますが、これは相続人間の内部負担の意味あいとなります。

 

 

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