借金がある私が相続放棄をすると、取り消されてしまうのでしょうか?



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先日、資産のある母が死亡したため、相続放棄をしました。
私には借金があるのですが、母の資産を充てにして返済を期待していたようで、相続放棄の取消しを主張されています。
借金がある私が相続放棄をすると、取り消されてしまうのでしょうか。

 

相続放棄が取り消されることはありません。

 

解説する男性のイメージイラスト相続人の債権者は、相続人の財産だけでは債権全額の弁済を受けるには足りない場合、被相続人の財産からの弁済を期待することになります。
そうすると、相続放棄をした結果として、債務者の財産(責任財産)が減少し、債権者にとっては債権の回収が困難になってしまいます。

しかし、相続人が相続放棄するか、承認するかは、相続人の自由意思に委ねられていますので、このような場合における相続放棄の取消し(詐害行為取消し)ができるとすれば、相続承認を強制する結果となり、相続放棄の性質からも妥当ではありません(参照:最判昭和49年9月20日)。

したがって、債権者により、債務者の相続放棄を取消すことはできません。

お金

逆に、被相続人が多額の借財を負っており、債権者が相続人の資産を充てにしている場合もあります。

そのような場合に相続人が相続放棄をしたとしても、被相続人の債権者により取り消されることはありません。

相続債権者は、相続人の全員が相続放棄をしても、被相続人の財産は「相続財産」としての法人格を与えられる結果(民法951条)、その財産の清算として弁済を受けることが可能ですから、債権の責任財産が流出する事態とはならず、その限度で、相続放棄が債権者の利益を害する行為となる余地はありません。

 

もっとも、債権者としては、被相続人の財産だけでは債権全額の弁済を受けるには足りない場合、相続として予定されている者が相続放棄をすれば、相続債権者の期待は裏切られることになります。

しかし、その場合であっても、相続人が相続放棄をするか、承認するかの判断は相続人の自由意思に委ねられることになりますので、債権者は相続人の相続放棄を取り消すことはできず、債務を負っている相続人が相続放棄をした場合と同様の結論となります。

 

 

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