遺言と異なる遺産分割はできますか?



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解説する男性のイメージイラスト利害関係人(相続人や受遺者)全員の同意があれば、一定の範囲内で遺言と異なる遺産分割をすることも可能と考えられます。

遺言は、遺言者の死亡の時から効力が生じ(民法985条1項)、遺贈や遺産分割方法の指定といった相続財産の帰属に関する有効な遺言が存在するときは、その遺言内容に従って相続財産の帰属が定まることになります。

しかしながら、遺言の内容として、相続分や遺産分割方法の指定等がなされていたとしても、財産処分については、遺贈に対する放棄が明文で認められており(民法986条1項)、遺言により利益を受ける者である受遺者や相続人全員が遺言内容と異なる遺産分割を望めば遺言と異なる遺産分割をすることは可能であると考えられます。

解説する男性のイメージイラストもっとも、遺言執行者がいる場合については注意が必要です。

指定又は選任された遺言執行者がいる場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるような行為をすることができず(民法1013条)、他方、遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有します(民法1012条1項)。

そして、遺言執行者の本来の職務内容が遺言に基づく執行というものであることの関係上、相続人全員が遺言と異なる遺産分割を望んだ場合に、遺言執行者がそのような分割に合意できるか、また、遺言執行者の同意のもとに相続人がした処分行為が民法1013条に違反して無効とならないかという問題があります。

この点については、遺言執行者の同意のもとに、合意が利害関係を有する関係者全員でなされ、かつその履行として処分行為が為された場合に、民法1013条の目的に反するものではないとして相続財産の処分行為を有効とした裁判例があります。

裁判などのイメージイラストそのため、利害関係人全員が遺言と異なる遺産分割に同意している場合で遺言執行者がいるときには、遺産分割協議、遺産分割調停に遺言執行者を参加させた上で協議を成立させるという方法を採る必要があると考えられます。

その他、遺産分割においては様々な法的問題が存在するため、遺産分割についてお悩みの方は、是非一度、専門の弁護士にご相談されることをお勧め致します。

 

 

「遺産分割」についてよくある相談Q&A